「FX」ナンピンの本質は資金管理
FXや投資においてナンピンという言葉をよく聞く方も多いと思います。
「下手なナンピンすかんぴん」という言葉があるように、このナンビンは使い方を間違えると危ない投資手法なんです。FXにこれを応用しても同様のことが言えます。
そこで今回は
- ナンピンの意味
- FXでの使い方
に加えて、
- 組み合わせの悪い手法
- 応用FX「ナンピン逆張り」必勝法
などを説明していきます。
ナンピンをFXでうまく使うことができれば、損失を減らせる資金管理のテクニックのひとつとなります。
是非マスターしてみましょう!
ナンピンの意味とは? FXの手法
ナンピンという言葉の意味は難(災難)を平ら(たいら)にするというもの。漢字で書くと難平(なんぴん)です。
FXのトレード手法として使われるナンピンは、自分が買ったポジションが値下がりして、含み損が出たときにさらに安い価格でポジションを買い増すという手法のこと。
実際にどういうことか見てみましょう。
FXにおけるナンピンは1回目の買いで出た損失を2回目の買いで出る利益で相殺させるという考え方です。
上の図であれば値下がりで出た買いポジションの、半分くらいまで値が戻れば損失が相殺されますね。通常なら買いを持った価格まで値上がりをしてそれ以上で売り注文を入れないと、損失が出てしまうところ。
確かに値動きの戻しは半分で損失を解消できますが、ナンピンのFX手法のデメリットは値が戻らない場合、それ以上の値動きで損失が増えてしまうというところです。ですからFXで安定して稼ぎたいと考えているなら、本来はナンピンに手を出してはいけない、というのが本音です。
損を取り戻そうとしてはダメ
基本的にFXのナンピン手法の健全な使い方は、トレードで被る損失を削減するという考え方で行われます。
例えば、1ドル100円だったものが現在70円まで落ちているとしましょう。このとき安いから買いだ! と思うわけですが、用心深い人FXトレーダーなら1ドルの価格がもっと落ちたらどうしようと考えるわけです。
しかし、ここでポジションを持たないと100円まで価格が戻ってしまうかもしれない・・・。そこで70円でとりあえず半分だけポジションを持ち、万が一60円まで落ちたら残りの半分を持ち、価格が以前の100円まで上がったら売ろうという損失の回避方法がナンピンですね。
これは、FXの取引における健全な考え方ではあります。FXでナンピンを使えば、もし70円からそのまま100円まで上がれば半分のサイズのポジションを利確(利益も半分)、60円まで安くなったら70円と60円の2つのポジションを利確という2プランで安全策を取ることができるのです。
NG手法。両建て、マーチンゲール、スキャルピング
そのようなあまりおススメできないナンピンではありますが、このナンピンをFXで行う場合、一緒に使うとさらにまずい状況に陥ってしまう、相性の悪いあるいは無意味な手法がいくつか存在します。
ここでは
- スキャルピング
- 両建て
- マーチンゲール
の3つについて、なぜ相性が悪いのかを説明していきます。
スキャルピングとナンピンは相性の悪いFX手法
スキャルピングは数秒から数分程度の取引を1日に何度も行うFXのデイトレ手法です。少しでも利益が出れば利確しようという方法で、なるべく大きな枚数(取引高=ロット)で行うトレードで、ハイレバレッジのスキャルピングによって短期間で一気に稼ぐトレーダーも多い人気の手法です。
このスキャルピングでの取引の際に、値が動いてナンピンを行ったところで損失を相殺するメリットが少なくなりますし、大きな枚数でナンピンを行い、値が逆へ大きく動きでもしたらそれこそ取り戻すのが大変です。よって損失軽減や損失回避という考え方に合わないため、スキャルピングでのナンピンは厳禁です。
両建てナンピン法は無意味
FXにおける両建てとは、一つの口座で売りと買いのポジションを同時に持つ手法です。
FXの両建てナンピン必勝法などは、ネットやブログやらでもこれについて書いてあるページは少なからず散見されますね。
両建て自体のメリットは
- 長期投資と短期投資の両方を組み合わせて利益を得ることができる
- スワップポイントを得られる
反対にデメリットとして
- 決済方法を失敗すると損失拡大の可能性も
- 初心者には難しい手法
などがあります。
このような特徴がある両建てですが、ナンピンだろうが何だろうがいかなる手順で行われていても、基本的にFXにおける両建ては無意味です。
同じポジションサイズの売り買いを持つ場合、損益が拡大することは100%あり得ません。買いのポジションサイズが大きいときに為替レートが上昇すれば儲かる、売りのポジションサイズが大きいときに為替レートが下がれば儲かる、為替差益で儲けるFXはこれ以上でもこれ以下でもありません。
FXの両建てナンピン法に騙されてしまう場合、とても残念ながらトレーダーとしての検証能力に欠けると言わざるを得ません。
マーチンゲールはナンピンでなくとも使ってはいけない
マーチンゲール法は負けるたびにポジションサイズを倍々に大きくしていき、最後に損失をすべて取り戻そうという手法です。カジノをはじめとしたギャンブルでよく聞く言葉で、「倍プッシュ」として使われていますね。
このマーチンゲール法の問題点はリスクも倍々で大きくなる点であり、FXに限らず、マーチンゲール法は必敗の法則なんです。理由は連敗を喫すると資金がすべて吹き飛ぶためで、連敗の目は確率論としては必ず起こりえますね・・・。
ということで、マーチンゲール法は当然ナンピンFX手法でも禁忌となります。
FX必勝法「逆張りナンピン」手法
ここからはFXの逆張りナンピン手法についてご説明します。
まず、逆張りについて説明しますと、逆張りというのは、過去の安値を参考にトレンドが転換する価格にあたりをつけ、トレンド方向と逆のポジションで大きな利益を狙おうという手法です。例えば、相場が下落している際にあえて買いを入れる、また相場が上昇する際にあえて売る、というものです。
FXにおける逆張りの問題点は、トレンドがどこまで続くか分からない点、それによってどこまで損切の幅を設定すればよいか、それに応じたポジションサイズの最適な設定が難しいということです。
そこで、ある価格でポジションを一発で決めるのではなく、ナンピンを使って含み損と相談をしながらより安い価格を掴んでいくのがFX逆張りナンピン手法です。
やり方。デイトレ、スキャルでなくスイングを使う
FX逆張りナンピン手法のやり方についてですが、百聞は一見にしかずというので、まずは画像を紹介します。
例えば、aの為替レートが過去の最安値だとして、ここ最近で最も安い値段だとしましょう。このとき最初のポジションを持ちます。このときのポジションサイズを普段の1/10~1/20にします。
こうすれば、チャートが損失方向へ動いてもリスクはとても小さいですし、かなり大きな価格の変動に耐えることができます。ちなみに、このまま価格が上昇してももちろん利益になりますね。
さて次に少し様子を見て、aからbまで為替レートが下がってしまったとしましょう。その時さらにポジションを持ちナンピンします。
bの位置の特定は、aの最安値の更新を確認し、さらに過去の最安値を参考に、下降が止まった点でナンピンをしましょう。
また、このときのポジションサイズは含み損やチャートの動きと相談し、まだまだ下がりそうなら小さく、上がりそうで含み損が大きくなければ多少大きなポジションでナンピンしても大丈夫です。
デイトレ、スキャルピングでなくスイングトレードをする
同じくc以降のレートでもこれを繰り返し、最安値を記録するたびにナンピンし、トレンドがしっかり転換し大きく為替レートがプラス方向へ動くのを待ちます。
FXで相場は上昇、下降、レンジの三つしかありませんが、このトレンドはいつまで続くかわかりません。
しかしながら必ずトレンドは終わり、相場は変わります。狙ったトレンドが必ず来るというのもFX。
狙った方向へ長くポジションを持ちながら耐え、最終的にはナンピンしたすべてのポジションがプラスになれば大利益の獲得となります。
スワップ金利がつくポジションならより効率が良い
FXの逆張りナンピン手法は、その特性上ポジションを長く持つことになります。
そのため、スワップ金利がプラスにつくものでポジションを持つとさらに利益が乗ります。スワップ金利とは異なる通貨間の金利差の調整分を指し、この差が大きければ受けとることができる差額分が大きくなります。
FX相場において、そのような金利差が高い通貨ペアの為替レートが安値を更新したら逆張りナンピン手法を準備してみましょう。
資金管理の計算をきっちり「失敗回避」マーチンはダメ
逆張りナンピン手法のポイントは、資金管理をすることによって損失のリスクを下げ逆張りの成功率をあげるという点です。
つまり、最も重要なことは資金管理です。
逆張り、ナンピンに関わらず、FXで最も大事なのが資金管理
FXをはじめ投資において最も大事なのは資金管理です。
この逆張りナンピンのFX手法において大事なのは、ナンピンするときにどの大きさのポジションサイズを持つかと言う点。逆張りナンピン手法は、通常の逆張りより高い成功率を誇る点が特徴ですが、とはいえ絶対に成功するわけではありません。
FXでは当たり前のことですが、いくらナンピンをしていようが、これ以上リスクを取れないという点で損切は必ず決行する必要はあります。逆に言えば、損切まで含み損にまだ猶予があるのであればポジション持続また追加で持てますし、含み損が圧迫されてしまってはもうポジションはすべて整理する必要があります。
FXの逆張りナンピン手法のそのFXトレーダーの相場の読みや逆張り(ナンピン)の成功率にもよりますが、資金に対して5%~20%の含み損での決済を想定すると良いでしょう。
この含み損まで耐えられるポジションサイズでナンピンさえできれば、理論上は負けない必勝法となります。
焦ってポジションサイズをあげるマーチンは絶対NG
逆張りナンピンはスイングトレードで数週間から1,2ヵ月、場合によっては1年ほどポジションを持つ可能性もある中長期的なFXトレードですが、1日~2日、数時間・数分ですぐに損失が出たり利益が出たり、というのがFXです。
損失を嫌がり、焦り、早く損失を取り戻そうとポジションサイズをあげて、マーチンゲール法などでポジションを持つのは禁忌。マーチンゲール法の誘惑に負けるのは投資家でもなくギャンブラー、いえ、ギャンブラーとしても残念ながら3流以下。心を強く持ち、辛抱強くポジションを持ちましょう。
逆張りナンピンを行う場合、最初はとにかく小さなポジションサイズで長くポジションを持つことおすすめします。
まとめ
そろそろFXの逆張りナンピン必勝法のページもまとめです。
簡単にまとめると、
- ポジションサイズは通常の1/20程度
- 過去の最安値でエントリー
- 安値の更新ごとにナンピン
- ポジションサイズは含み損と相談
- 損切は資金の5~20%
- 全ポジションが利益になるのを待つ
となります。
いかがでしたか?
ちなみに、このFXの逆張りナンピン手法ですが、EA(自動売買ツール)を用いて無限に存在しうる相場の場合分けをし、ナンピンしかり、「しかるべきサイズ」で「しかるべきポジション」を持つのは現在のFXトレードでは不可能です。やはり状況に応じて人間であるトレーダー自身が判断する必要があります。
さらにFXに限らず、この世に理論上の必勝法のルールは存在しても事実上存在しません。
しかし、事実上のFX必勝法を理論上のFX必勝法モデルに限りなく近づけることで勝率をあげることは可能です。
FXではフィボナッチ数列(数学用語)を応用してナンピンをする手法もありますが、これはまた別のページで紹介したいと思います。
是非、このFX逆張りナンピン必勝法を用いてFXで利益をあげることに挑戦してみてください。