リスクマネーと貯蓄の配分を考えるコツ

- 「資産の何割を投資に回すのが最適なんだろう?」
- 「貯金と投資の最適な割合が知りたい」
いざ投資を始めようと思った際、まずこのようなことを考える方もいるのではないでしょうか?
今回は投資と貯金の割合を考えるコツと両者の最適な割合についてまとめてみました。
投資を始めるタイミングで持っている資産だけでなく今後投資に回せるお金も人それぞれ異なる中、何を参考にすればいいのか迷ってしまい結局スタートできずにいるという方にはぜひ読んでもらいたい内容です。
配分を考えるコツは投資と貯金の違いの理解
正しい貯金と投資の割合を考えるためにはまず、この2つの意味をしっかり把握することから始める必要があります。
気になる投資の3つの特徴
まずは投資についてですが、投資には
- 損失リスクがある
- すぐに現金化ができない
- 資金を増やす事が目的である
という3つの特徴があります。これらについて詳しく見ていきます。
損失リスクがある
株式投資やFX、不動産投資をはじめとした様々なタイプの投資には、資産を大きく増やせるチャンスがある一方で資産を損失してしまうリスクが存在します。
例えば300万円で購入した株の価値が250万円に下がれば50万円分の資産を損失したことになります。投資には元金保証がないこともあり、損失リスクが高いのが特徴です。
すぐに現金化ができない
投資商品の中にはキャッシュ化するのに時間がかかるものがあります。
株やFXなどの金融資産であればそれほどではありませんが、不動産投資における土地や建物の場合には買い手が付き現金化するまでに諸手続等を含めて数ヶ月かかることはざらにあります。
資産を増やすことが目的である
貯金とは異なり、投資はお金を増やす事を目的にしています。目的が「増やす」という能動的な行為になっている面を見ても投資はやはり「オフェンス」のような役割をしています。ですから、後述する貯金のようにただ待っているだけで利子が付く、というものとは異なり、自らが積極的に情報を収集し、資産を増やすために行動することが必要となってくるのです。
貯金の3つの特徴
では次は貯金について見ていきましょう。貯金には
- 損失リスクが低い
- 簡単に現金化できる
- 資産を守ることが目的
という3つの特徴があります。これらについて詳しく見ていきます。
損失リスクが低い
貯金において損失リスクが低い理由は、元本保証にあります。
元本保証があるおかげで、仮に銀行が潰れても資産が保証され預けた預金は手元に戻ってきます。この点で貯金は損失リスクがある投資よりもはるかに安全と言えます。ただし、元本保証には銀行預金であれば1000万まで、など一定の額を超える金額については補填されないので、自身が預け入れている金融機関の状況については確認しておくのが安全です。
簡単に現金化できる
貯金であれば、銀行やATMに足を運ぶだけで貯金額の一部または全てを現金にできます。最近ではコンビニでもお金を引き出すこともできますので大変便利です。
金融商品や商品を一度換金する必要がある投資よりも、貯金ははるかに現金化が簡単といえますね。
主な目的は資産を守ること
最後ですが、貯金はお金を増やすのではなく守ることを目的にしています。
この話を聞くと「え、利息がつくから銀行預金でもお金は増えるのでは?」と思うかもしれません。確かに銀行口座にお金を預けていると利息が付き資産はわずかながらも増えますが、現在メガバンクの普通預金の金利はわずか0.001%(2020年1月現在)。ネット銀行の場合はそれより高い金利のところもあるようですが、これでは資産を大きく増やすことはできません。
そのため貯金の主な目的は、資産を増やすことではなく「手元に置いておけない現金資産を守ること」になります。
許容できるリスクを明らかにする
ここからはメインテーマとなる投資と貯金の割合について見ていきます。
まず投資と貯金の割合を考えるにあたり「事前に許容リスクの最大値を決める」ことが必要となります。
リスクの最大値とは?
「許容リスクの最大値って何だろう?」
例えば現在500万円の資産を持っていたとしましょう。そのうちいくらかを投資に回すことを考えます。
そこで、500万円がいくらまで減っても自分にとって問題ないかをまずは決める必要があります。
もし100万円までなら損失を許容できるのでしたら500万円のうち100万円を投資に回し、400万円は子貯金として持っておくのが良いわけです。この場合の投資と貯金の割合は2:8となります。
中には500万円持っている人でも半分の250万円までは許容出来るなんて人もいると思います。この場合ですと500万円を貯金と投資の配分はそれぞれ250万円。5:5という割合になります。
最適な比率を考えるコツ
全ての投資商品の価値は市場の相場や経済状況に応じて大きく変動します。しかし、投資の原理原則は「有限責任」なので投資した金額を超える損失は原則として発生しません。
そのため、貯金と投資の最適な比率を考えるには、まずは守りたい資産額を貯金に回し、残った金額を投資に回すというのがベターと言えます。
「1円も資産を減らしたくない」という人の場合には、元本保証があるタイプの投資商品を利用するという手もありますし、どこまでなら資産が減っても大丈夫かを決めることは、自分にぴったりな投資商品を見つけることにも繋がります。
最初は投資の割合を2割にする
正直なところ、投資と貯金の割合に正解はありませんが、投資をはじめるにあたっては、投資と貯金の配分を2:8にするのが良いと言われており、多くの方が実践しています。この比率であれば投資した商品の価値が半分になっても総資産のロスを全体の1割に抑えることができるからです。
投資と貯金の割合を決めていないのでしたら2:8の配分でまずはスタートしてみましょう。
最初に決めた割合を適宜変更する
さらに重要なこととして、はじめに決めた割合から適宜比率を変更することを実践していきましょう。
投資と貯金の配分を2:8でスタートし、投資による利益も出始め、ある程度投資に慣れてきたと感じてきたら、4:6に変更してみることを検討してみましょう。そうすることで投資に回せるお金が増え、資産をさらに増やしていける可能性が高まります。
当然ながら、投資に回す分が大きくなるほど資産が減るリスクも拡大します。常に原点に立ち返り、貯金として最低限確保しておくべき金額は見直しておくことが必要です。
貯蓄ゼロで投資商品を買う方法
もしかしたら現在貯蓄がゼロ、または限りなく貯蓄がゼロに近いという人もいるでしょう。
ここからは貯蓄がゼロの人でも始められる投資ついて紹介していきます。
月収の一部を投資に回す
現在貯金がなくてもこれから投資をはじめるには、毎月の収入の一定割合を投資に回すことから始めましょう。
例えば現在の月収を25万円とします。家賃や光熱費などの毎月かかっていく費用を除き、削れる支出がないかどうかをまずは見直してみるのです。その結果毎月2万円を捻出できるとしたらそれを5か月貯めてまずは10万円を作ってみます。お金を増やすには投資以外にも「無駄なものを買わない」ということでも貯めていくことができます。
10万円あれば色々な商品を買える
10万円があれば株やFXなどの投資商品を購入することができます。投資は100万や200万といった金額がないと始められないというイメージがありますが、数万円で購入できる株もあります。
投資は貯金してある程度お金を貯めてから取り組むのが基本ですが、貯金がない人でもはじめることはできるのです。
最適な割合は結局アナタ次第
まとめになりますが、投資と貯金の割合において正解はありません。投資商品ごとにリスクは異なりますし、利回りも異なります。最適な割合はあなたが目指すゴール次第で大きく変わります。
ただし、一つ言えるのは貯金だけでは資産を増やすことはできないということ。宝くじにでもあたらない限り、投資によってリスクを持ちながら資産を増やしていくしか将来に向けた資産形成はできないということも覚えておいてください。