FXのシンプル手法をマスター

FXトレードには様々な手法がありますが、その中に相場の流れを利用した「 順張り 」と「 逆張り 」という2種類の手法があります。
相場の流れに沿ってエントリー(注文)すること。
逆張りとは・・・
相場の流れとは逆にエントリーすること。
一言で簡単に説明すると、上記のように言えます。
なんだか簡単な手法のように思えますが、基礎的な手法だからこそ実は奥が深いのです。
では2つの手法に必要なFXにおける“ 相場の流れ ”とは、一体何を見て判断をするのでしょうか。
答えは、チャートのローソク足 と 移動平均線などのテクニカル指標。
もしくは単純に、ローソク足の高値または安値を結ぶ線(抵抗線・支持線)も、トレンドやボックス圏(一定の値幅の中で変動を繰り返す状態)を判断するために役立ちます。
こういった補助線を利用すれば、目に見える形で上昇相場にあるのか下降相場にあるのかが分かるので、初心者でも理解し易くなるでしょう。
ちなみに補助線は、FX業者が提供するチャートのツール機能を使って自分で描くことができます。
※ そちらについては別で詳しく紹介している記事があるので、参考にしてください。
今回は、
- ・ トレンドとは何か
- ・ 順張り・逆張りのやり方
- ・ 逆張りに合ったおすすめ業者
などについて解説していきたいと思います。
順張り・逆張り

順張りと逆張りを理解する前に、そもそもFXトレードで重視する「 トレンドとは何か 」を知っておく必要があります。
トレンド相場とは
言葉の意味からおさらいしましょう。
為替相場が 上昇基調にあるのか 、下降基調にあるのか を示したもの。
為替相場は細かな上下動を繰り返しながらも、中長期的には上昇か下降かのどちらかに続きます。
その流れを“ トレンド ”と呼びます。
例えばFXチャートからは、ドル高円安 や ドル安円高という値動きがあるのが読み取れます。

ではトレンドというのは、この値動きからどのように判断できるのでしょうか。
まずはチャートを見ることが必須と言えますが、
チャートこそローソク足の全体像であり、
ローソク足は一定時間の値動きに対する高値安値をボックスと線(足)で示しています。
つまりローソク足を連続して描いたものが値動きであり、“ チャート ”と呼ばれるのです。

しかしこのローソク足だけを眺めていても、為替相場が上昇中なのか下降中なのかはなかなか判断できません。
そこで、トレンド指標という補助線を自分で書き加えてみましょう。
例えば特に有名な移動平均線。
これは一定時間における終値の平均を連続させて表示した線です。

この移動平均線を使用することで、線が上向きなら上昇相場、下向きなら下降相場だと比較的簡単に判断が出来るようになります。
FXトレードではこの移動平均線がよく使われるので、覚えておいて損はなさそうですね。
さてこうして、FX相場が全体的に上向きか下向きか、つまりトレンドが上昇にあるのか下降にあるのかを見極められるようになりました。
ただ気を付けたいのが、移動平均線の平均値を算出する基準となる期間の定め方によって、形がかなり変わるということ。
もし長い期間の平均を取ればゆるやかな曲線となり、長期的なトレンドを読むのに役立ちます。
しかし現実の相場の動きと移動平均線の動きには遅効性(遅れて反応すること)が生じるので、短期的なFXトレードをする場合には判断材料として使うのは難しいでしょう。
ではトレンド相場について分かったところで、いよいよ順張りと逆張りについて解説していきたいと思います。
【順張り・逆張り】とは
こちらもまず、単語の簡単な説明から入りましょう。
為替相場の動きに沿ってエントリーするFXトレード手法。
逆張りとは・・・
順張りの反対で、相場の流れに反したFXトレードを行う手法。
たとえばUSドル/円が上昇していると判断できた時、USドル/円で「買い」注文を出すとします。
➡ 水色マーク

USドルが円に対して上昇トレンドの場合、
上昇している状態で決済できれば証拠金が増えるということです。
➡ 黄色部分
このように、トレンドの流れに合わせてポジションを持つことを「 順張り 」と言います。
しかし決済前に上昇トレンドが反転してしまったらどうでしょう・・・?
順張りでポジションを建てたことによって、損失が出てしまいましたね。
➡ 黄色部分

正直、為替相場はいつまでも上昇あるいは下降を続けるわけではありませんし、いつかは反転します。
そこで反転を見込んだ上で、それまでの相場の流れに反したFXトレードをしてみましょう。
たとえば、
上昇のUSドル/円、そろそろ下降に転じるのでは?
と判断できた時、「売り」注文を出すのです。
そして見込み通りに相場が反転してくれれば、建てたポジションは利益となります。
➡ 黄色部分

これが「 逆張り 」です。
ということで、FXにおける順張りと逆張りの特徴をまとめると以下の通り。

FXトレードの性質としては、かなり違いがありますよね。
その為、人によってどちらが狙いやすいか分かれます。
自分に向いてるのはどっち?
エントリーするタイミングや数も、自分に合った手法を探す上で大切なポイントになり得ます。
あなたがもし副業でFXをしているとしたら、
トレードが出来る時間は夜中もしくは休憩時間に限られるはず。
逆張りをしたいと思っていても、その短い時間の中でトレンド相場が上手いこと反転してくれるかなんて分かりませんよね・・・
ということでこの場合は、基本的に順張りを考えたトレードをしていく方が良いでしょう。
トレンドが続いている間は、何度でもエントリーできるからです。
一方で相場が反転するタイミングを狙わなければいけない逆張りは、基本的にFXチャートを見続ける必要があります。
FXチャートを分析して反転するタイミングを見計らい、注文を出しておくという手法にはある程度時間がかかりますからね。
エントリーするタイミングを狙い撃ちする技術を高めたい人にはおすすめですが、平日に時間がないと難しいです。
このようにFXトレードでエントリーできるタイミングの数が違うことも、人によってどちらが合うのかが決まるポイントだと言えます。
それではどちらが自分のFXトレードのスタイルに合うかわかったところで、それぞれの手法が有効なFXトレードの時間帯についてみてきましょう。

FXトレードにおける順張りと逆張りには、それぞれに適した時間帯というものがあります。
これは24時間動いている為替相場の市場が切り替わることと、その参加者の特徴が異なることが理由です。
早速、順張りと逆張りが有効的に使える時間帯を紹介しましょう。
〈順張り〉に有効な時間と理由
FXの順張りに有効な時間は為替相場の方向性が決まり、市場の参加者が安心してエントリーできる時です。
そして注目するのは、FXにおける3大市場となる「 東京 」「 ロンドン 」「 ニューヨーク 」です。
このうち、ロンドンとニューヨークの市場では 為替取引の半分以上が行われること や、トレンドフォロー型のFXトレーダーが多いこと から順張りに向いています。
つまり・・・
- ・ ロンドン市場 ➡ 16時~ 約2時間
(夏時間の4月から10月は15時から) - ・ ニューヨーク市場 ➡ 23時~ 約2時間
(夏時間は22時から)
このタイミングで相場が一方向に動きやすい為、上記がFXの順張りに有効な時間帯と言えるでしょう。
ちなみに東京市場が開く9時から2時間ほどもトレンドが発生しやすいのですが、
FXのトレードにおいてはクロス円(JPYが絡む通貨ペア)しか動かないのです。
では次に、FXの逆張りに有効な時間帯とその理由をみていきましょう。
〈逆張り〉に有効な時間と理由
FXにおける逆張りが有効な時間帯は、為替相場がボックス圏(一定の値幅で変動を繰り返す相場)になる時です。
その意味では、東京市場が開いている9時から15時がFXの逆張りに有効な時間帯といえます。
東京市場はもともとロンドンやニューヨークと比べると、取引規模が非常に少ないものです。
そのために値動きもそれほど大きくありませんし、順張りでの利益はさほど狙えません。
また参加者は、先に始まっているロンドン市場やニューヨーク市場の動きに応じて東京市場を考えるので、基本的に様子見。
東京市場から世界の為替相場へ大きな影響を与えるということは少なく、方向感が定まらずにボックス圏内での推移が続くことになります。
その為この時間帯は、逆張りでボックス圏内の動きを拾うトレードスタイルがマッチしているでしょう。
FXの順張りと逆張りそれぞれを有効的に使う為の時間帯を紹介しました。
では、順張りと逆張りの具体的なエントリー(注文)の方法を、次から見ていきたいと思います。

順張りと逆張りの意味が分かったら次は、
といった疑問が出てくることでしょう。
そこで、それぞれの具体的なやり方についてまとめてみました。
順張りのエントリーポイント
順張りのエントリーポイントはいくつかあります。
まずひとつはボックス圏の相場を抜けた時です。
通貨価格の高値と安値のそれぞれを結ぶと、ほぼ水平に一直線のラインになる状況。
それぞれの高値と安値が意識されて、その高値を安値を抜けることなく価格が動いている状態となっています。

このボックス圏を抜けると、大きなトレンドとなる可能性が高いと言われています。
このタイミングでエントリー。
トレンドを形成する瞬間を狙う形のエントリー方法です。
やり方は簡単。
チャートのローソク足が、高値/安値を結んだどちらかのラインを越えた時が合図です。
- 高値を結んだラインを超えて上昇
➡ 買い注文 - 安値を結んだラインを超えて下降
➡ 売り注文
あとはそのまま上昇/下降が続くのを見届けて、再びボックス相場を形成したら決済すれば良いでしょう。
また、他にも順張りのエントリータイミングはあります。
トレンド相場は細かい上下動を繰り返しながら作られていますが、
その上昇/下降トレンドを作っている最中もエントリーのタイミングと言えるでしょう。
具体的には・・・
たとえば下記のようなチャートがあったとします。

③の後に再度上昇するとして、
まずは自分がボックス圏だと判断したラインが正しいか確認しましょう。
上昇の前に記録する安値の値が、以前の安値(①、②)を結ぶラインに割り込んで安値になっていなければOK。
ラインは正しく引けています。
上昇したタイミングで買い注文を出しましょう。
上がれば利益となり、下がってからもし①や②よりも安値になったら損切決済。
反対に下降トレンドの場合は売り注文を出しておいて、③以上に上がったら損切です。
このように、FXトレードの初心者でもラインを読めば順張りのエントリータイミングがつかめると思います。
次に逆張りの方法の解説に移りましょう。
逆張りのタイミング・コツ
ここからは、FXトレードにおける逆張りのタイミングについてです。
こちらは順張りよりも分かり易いでしょう。
ボックス圏内で上下動を繰り返す中で、
ローソク足が高値のラインに近づいたら売り注文を、安値のラインに近づいたら買い注文を出します。
つまり上昇している時に売り注文を出し、下降している時に買い注文を出すということです。
買い注文を出したあとは、反転上昇して高値に近づいたら決済。
反対に売り注文を出したあとは、反転下降して安値に近づいたら決済します。
もしくはトレンド形成中に、安値を結んだラインに割り込んで下降した時も逆張りで売り注文を出すタイミングになります。
逆に、高値を結んだラインを超えて上昇したら買い注文のタイミング。
これは、トレンドが切り替わるタイミングを狙った逆張りの方法です。
ボックス圏内のFXトレードよりも大きな利益を狙うことができます。
しかしこのように順張りと逆張りのタイミングを判断しても、時には損失を生み出すことも・・・
そこで、それぞれのリスクと注意点をご紹介しましょう。
それぞれのリスク/注意点
まず順張りのリスク。
それは、「 トレンドが変わる可能性があること 」です。
トレンドというのはいつまでも続くものではなく、いずれ反転します。
つまり順張りで注文を出していると、必ず反転による損失を生み出すリスクがあるということです。
そこで注意したいポイントとしては、必ず損切りのための注文を入れておくことが挙げられます。
例えば上昇トレンドに乗って、順張りでエントリーする場合。
それまでの安値を結んだラインを割り込んだら、逆指値で注文を出します。

売り注文を出した時は、逆に高値のラインを超えたところで決済する注文を入れておきます。

上記の解説を元に逆張りの場合のリスクはというと、「 ボックス圏を抜けること 」や「 トレンドが続くこと 」だと言えますね。
そしてどちらも順張りと同様に、損切りのための逆指値注文を一緒に出しておくことがポイントです。
このようなリスクを考慮したうえで、順張りと逆張りを使ったスキャルピングをおすすめします。

順張りも逆張りも、相場のトレンドが切り替わることで損失を生むリスクを抱えています。
そしてその損失額を極力最小限に抑えるという意味で、スキャルピングが役立つでしょう。
数銭から数十銭というわずかな利幅を狙い、1日に何回も取引を行うことで利益を積み重ねて稼ぐ超短期売買手法。
では早速どのように役立つのか、解説していきましょう。
逆張りとスキャルピング
為替相場がボックス圏に入ると、トレンドフォロー型である順張りでは利益を得るのが難しくなります。
ボックス圏内の価格は、その範囲内で何度も上下動を繰り返すということは分かりましたよね。
ではそれを利用したスキャルピングを行えば、どうでしょう。
何度もトレードを繰り返すことができるので、利益の積み上げが可能です。
この場合、高値あるいは安値のラインに価格が近づいた時に逆張りで注文を出して、うまく反転すれば利益に。
そしてその反転したところを狙って利益確定のスキャルピングを繰り返せば、ボックス圏内にある間は稼ぎ続けることができるでしょう。
スキャルピングにおすすめ海外会社3選
このようなスキャルピングをするためには、
- ・スプレッドが狭いこと
- ・約定率が高いこと
- ・スキャルピングを認めている業者を利用すること
この3点が大事です。
そこでおすすめなのが以下3つの海外FX会社。
TitanFX・Axiory・GemForex。
いずれもスプレッドが狭く、レバレッジの設定を高められるとあってスキャルピングにはもってこいの会社です。
更に万が一の時の為のゼロカットシステムもあります。
損失を生み出して証拠金がマイナスになってしまっても、追証が発生しないリスク限定の制度。
初心者でも安心して利用できるので、おすすめです。
順張りと逆張りは心理的なプレッシャーにも違いがありますし、人によって好みは分かれると思います。
しかし順張りと逆張りはその理論とやり方をきちんと理解すれば、決して難しいものではありません。
あとは実際にFX口座を開設してトレードを行い、時に失敗をしながらも慣れるようにすればFXのトレード技術も向上していきます。