投資=ゲーム。理論を実践で勉強

株トレード、FX、仮想通貨、飲食店経営、融資、どんな投資で自分が働かなくても(大きな)収入になるというとても大きなメリットが存在しますね。その対価としては、投資したお金が失われるというリスクが存在します。
普通はお金を支払うとご飯が食べられたり旅行に行けたり、何か商品が買えたりしますよね。このように、人が何かお金を使うときには相応の商品やサービスが手に入ります。支払う額も決まっています。投資はそれらと異なり、いくら失うかの目安はあっても定かではありませんし、失ったお金と同等のサービスや物質が手に入るとも限りません。
投資でお金が失われるのは、まさに「損」ということになります。投資に損はつきものですが、どこまで損していいか、どこまでお金をかければどれくらいのリターン(利益)が望めるか、これは将棋やチェスなどと同じルールと定石の存在するゲームのようなもの。
投資をチェスや将棋だと思えば、はじめて実践する一発勝負で容易に学習できるものではないとイメージできますね。投資初心者が投資上級者の横行する市場に大金を投資するということは、大金を賭けて将棋の初心者が将棋のプロに挑むようなものです。
投資やゲームに限らず失敗は成功の母なんて言いますが、投資の世界には取り返しのつかない失敗というものが存在するものです。何も、成功のために必要とされる失敗、ほぼ絶対にすると分かっている失敗を実践でする必要などありません。しかし、これがゲームの失敗なら痛くもかゆくもありませんよね。
そこで、ここでは投資の考え方を養い、投資の実践に役立つシミュレーションとなるゲームを紹介します!
ポーカーは資金管理学習の最強シミュレーション

2012年のポーカー世界選手権(in ラスベガス)の王者曰く
「勝利の極意は株式投資」
このように語ったのは、日本人初のポーカーゲームの世界王者である木原直哉さん(当時31歳)。
その心は、
- ・不利な局面は耐えマイナスを最小限に
- ・有利な局面はチャンスを逃さずに大きく勝つ
- ・株式投資や会社経営と同じ
というもの。
実は、ポーカーゲームというのは投資や事業に共通する面が多く見られると言われています。実際のところ、どうなのでしょう?
ポーカーゲーム(テキサスホールデム)と投資の共通点
同じトランプカードを用いるポーカーゲームの中でも、日本で知られているドローポーカーと違い、世界で最も有名なポーカーゲームはテキサスホールデムというものです。
テキサスホールデムは場に出された3~5枚の(共有)カードと、手札の2枚のカードを組み合わせてポーカーゲームの役を作るゲームです。
昨日のホールデム会皆様お疲れ様でした。そして、ありがとうございます。
途中から、トーナメントに替わってしまった事申し訳ありません( ;∀;)後、説明が下手ですいません。徐々に上手くなるようにしていくよう努力します。
そして、昨日のハイライト&インサイダー#はちぼど pic.twitter.com/GE6lcdRXBm— ゲーム大好きJTR【ボドゲに夢中】 (@eagle_last) 2017年7月31日
ゲームの簡単な流れは、手札を各プレイヤーに2枚ずつ配り、場に3枚のカードをめくり、順番にBET(ベット=賭け)を行うというもの。BETが終われば場に4枚目のカードがめくられまたBETの機会が与えられ、最後に5枚目のカードがめくられBET、そして勝負という流れになります。
このホールデムというポーカーゲームを投資や事業に例えると
- ・手札カード : 自(社)の能力、状況
- ・場のカード : 市場、相場、景気
といった具合です。
ホールデムのいい点は、実際の市場に入り乱れる情報や自社の状況を複雑に判断するのと違い、54枚のトランプの中から場に出た最大5枚のカードと自分の2つの手札という限られた情報を判断するという、とてもシンプルなモデルで競争を行えること。この競争の本質は互いのチップ=お金の奪い合いであり、まさに市場経済的なゲームと言えますね。
ポーカーに学ぶ資金管理「バフェット&ゲイツ」
実は世界一の投資家で知られるウォーレン・バフェット、マイクロソフトのビル・ゲイツはともにポーカーの名人と言われています。
ビル・ゲイツはマイクロソフトの起業資金をポーカーゲームで稼いだという逸話がありますし、バフェットは「ポーカーのゲームを開始して20分でカモが誰か分からないなら自分がカモだ」という言葉を残しています。
バフェットもゲイツも、一代で財を築き、長きにわたって大きな財をより巨大化させているという共通点があります。そんじょそこらの成金に見られる期間限定の小金持ちとは明らかに異質なレベルの資金管理術を持っているということ。
ポーカーゲームにおける資金管理は、短期的に損小利大、中期的には資金をほぼ失う(=大きなドローダウン)のリスクはゼロに近似され、長期的には利益が最大化するという、極めて数論的な資金管理戦略をとっています。あるいはゲームに参加する以上、資金管理はこのようにしなければ必敗となるとも言えます。
ポーカーゲームは市場で資金を奪いあうより簡単
これは決して勝つのが簡単という意味ではありません。投資に運が作用するようにポーカーのようなゲームにも運の要素は強く作用します。したがって、短期的にはポーカーのプロがポーカーの素人に負けるゲームもあります。
ポーカーゲームが実際の投資より簡単という意味は、市場よりルールが限定的で単純なモデルだということ。市場で資金を失った理由や原因を分析するより、ポーカーで負けた原因や理由を探るほうが容易なことです。逆に言えば、市場では強い商品や能力を持っていて勝てない場合も理由すら分からないことが、ポーカーの(強い手札を持っている)場合より多いと言えます。
つまるところ、ポーカーゲームとは投資の基礎モデルで、投資の練習の教科書のようなものと言えます。
ポーカーはトランプを使った古典的なギャンブルゲームですが、他にも投資をモデルとして開発された複数名でできるボードゲームなんかも存在します。
投資の勉強おすすめボードゲーム
モノポリーをはじめとする投資のボードゲームは、今日では多様化し、さまざまなゲームがあります。はじめにモノポリーから紹介。
投資のゲームと言えばなんといってもモノポリー
モノポリーは1900年代初頭にアメリカで生まれた投資型の大ヒットボードゲーム。
友人と飲み会に
『モノポリー』を持ってきた!さあ、
友情破壊の金融ゲームを
始めようじゃないか……! pic.twitter.com/GjcJtQ8RnP— しょうへい✈️自由に旅しよう (@Sho_biz123) 2017年6月21日
スゴロク状のボードの上にあらゆる不動産を経て、他のプレイヤーから交渉で不動産を売買や賃借の取引をすることで自分の資産を増やし、他プレイヤーを破産に追い込むという投資ゲームです。
モノポリーとは「独占」という意味。貨幣の流通量が有限であるという点から、お金儲け=相手の破産というシステムが競争市場的でリアリティと白熱感が介在します。生産向上率や成長の乏しい市場では資産が有限、経済競争はゼロサムゲームが基本ですのでとても原理的です。
この有限の資産を奪い合うというモノポリーゲームの競争性は、まるで市場に出回り回流するお金を奪い合う投資「FX」に共通します。さらに、モノポリーでは資産管理や資産の運用、他プレイヤーとの交渉能力を鍛えることができます。
モノポリーという投資ゲームを一言で評すると、市場競争のハイライト(縮図)です。勉強目的でなくてもハマってしまうこと間違いなし。ビートルズが来日したときは、殺到するファンによって一歩も出られないホテルの中でこのモノポリーに熱中していたそうです。
『キングス・オブ・サマー』そして、この映画のポイントのひとつがアクティブな秘密基地生活の中で展開するインなボードゲーム・モノポリーの存在。モノポリーに詳しい人に解説してほしい。あのゲーム上の展開はきっと意味のあることなのか多分そうなのか。そして、隠れての、西部劇への憧れだ。 pic.twitter.com/4oOoTIFYnJ
— babby (@cipriani_s) 2017年9月8日
メジャーな投資ゲームのタイトルであるモノポリーを紹介したので、次はよりローカルでマイナーな投資ゲームを紹介しましょう。舞台はなんと日本は横浜。
横濱神商伝(よこはましんしょうでん)
基本的にはモノポリーに似たようなゲームですが、舞台は明治初期の横浜です。
『横濱紳商伝』の感想。
トントンと部下を置いて社長が通りアクションする。想像していたよりスッとルールが頭に入り面白かった。今更ですがこんなゲームが国産なんて凄いなぁ。また遊びたいです(1号) pic.twitter.com/oesYVl5UrH— ボォFC (@boxoFC) 2017年1月12日
都市発展の伸びしろがたくさんあり色んな施設や店舗を建設できるほか、モノポリーと特に異なる点は、市場競争に使える「科学技術」を習得できたりプレイヤーが社長であり部下というコマを使えるところ。
こちらはモノポリーのようなゼロサムのお金を奪いあう投資ゲームというより点数を積み重ねるような、投資ゲームのようです。鉄道に乗り日本全国の物件を買収して回るTVゲーム「桃太郎電鉄」に似たようなイメージでしょうか。
明治初期の横浜ということで、今はありふれていても、当時は貴重で独占的だった科学技術がなんであったかなどを感慨深く味わえます。。
実践と違っても感覚をつかむことが大事

さて、ここまでトランプを使ったカードゲームであるポーカー「ホールデム」や、モノポリーや横濱神商伝のような投資型のボードゲームを紹介してきました。
ひとりで行う投資のシミュレーションなどより、他プレイヤーとリアルタイムで競争をするという点でより投資シミュレーションとして適していると言えます。
ここで一度、投資のシミュレーションゲームの価値を確かめるためにも、投資の目的というのをおさらいしてみたいと思います。
投資の目的をおさらい
投資において最も大事なことは、つまるところ長期的に最大の利益を得ることのみ。反対に言えばこれさえできれば過程ややり方はどうでもいいわけです。
しかしこのやり方はどうでもいいという点こそが投資初心者を幻惑する罠で、数論的な観点から長期的には必ず損するようなやり方というのは多く存在します。例えばマーチンゲール法で投資するだとか、大きなリスクを取り続けるだとか、そういうやり方です。
利益をあげる投資のやり方としてこれらを排除していけば、利益のあがる投資法というのはおのずと消去法的になっていきます(その中で無数に選択肢があるわけですが・・・)。
さらに、長期的に利益がプラスの値に収束もしくは発散するような投資法を机上で計算しては日々アップデートできるとしても、問題はこれを実践できるかどうかですね。
頭で分かっていても最適な判断をするのは難しい
頭ではわかっていても「体が動かない、感情が別の判断をしたがる」ということは良くあることです。自分の作戦通り、組み立て通りに自分の初志を貫徹させる決定を下し続けるためには、訓練が必要です。
想定をしていたとしても・・・「10億円が5億円に減ってしまった」「利益を得るために必要な損失だった」ということが分かっていたとしても、これを感情が受け入れるのは難しいこと。感情がこの5億円の損失を拒否した場合、残りの5億円で投資でなくリスクの高いいわゆる「ギャンブル」をしてしまう投資家もいることでしょう。大きな損失を被ったとき、投資家はその資質を問われます。
大きな損失を被ったときに冷静さを失う行為は、シンプルな投資的観点から、それ自体がとても損なこと。結果的に損をするという行為がどういうものか、投資家は身をもって学習する必要があります。ここから成功している投資家も失敗したことがあると言われるのでしょう。失敗したことがあるから失敗しなくなるのだと。
まとめ「シミュレーションの有意義性」
ホールデムのようなポーカーゲームやモノポリーのような投資のボードゲームは、所詮はゲームかも知れません。
しかし、一刻を争う中で最適な判断を求められる投資の世界では、長期的に利益が最大になるであろう選択を反射的にできる訓練が必要です。これは経験を蓄積させないと難しいことでしょう。
そういう意味では、投資のメンタルを無制限に鍛えることができる投資型のゲームはとても貴重で、ここで培う経験や訓練はとても有意義なものです。
いかがでしたでしょうか?
この機会に投資型ゲームに触れることで、損失に慣れ、利益に慣れ、判断を楽しみ、利益を享受する精神をぜひ培ってみてください。