お金の管理の質が運用の結果を決める

今回のコンテンツでは投資を成功させる上で最も大事な要素である資金管理についてまとめています。
投資で一番大切なことはなんだと思いますか?
この質問をすると色々な答えが返ってきそうですが、こと投資で結果を出すという点においては資金管理が一番大切です。現に投資の世界では効果的な資金管理を行えば8割方投資は上手くいくので資金管理の質次第で投資結果が決まります。
もちろん投資では資金管理が大切だと言われてもその理由が分からないとしっくりこないですよね。
そこでこのコンテンツでは投資の世界で資金管理が大切である理由を紹介した上で不動産投資と株式投資を例にとって資金管理のコツについて見ていきます。
どうして投資では資金管理が大切なのか?
そもそもどうして投資の世界で資金管理が大切かというと投資には常に目に見えないリスクが潜んでいるからです。
例えば物件選びが鍵を握る不動産投資を考えてほしいのですが、どんなに慎重に不動産を選んだとしても「空室リスク」や「賃料下落リスク」が0になることはありません。リスクがゼロにならない以上、物件購入時の上限資金額を明確にして最大損失額を規定することが大切になります。
この物件購入金額の上限金額を明確にすることも広義の意味で資金管理です。物件購入金額をあらかじめ規定しておけば、自分が想定する金額をはるかに超える損失が発生するリスクは事実上ゼロになります。
ここまで不動産を例にとって紹介してきた資金管理の大切さは不動産投資に限った話ではありません。株式投資でも資金管理は大切ですし、比較的リスクが高いと言われているFXも資金管理を工夫すれば安全に取り組むことができるのです。
不動産投資における資金管理

さて話を不動産投資における資金管理方法に戻します。不動産投資における資金管理の大切さは先程紹介しましたのでここでは不動産投資で上手に資金管理をするためのコツについて紹介していきます。
そもそもの話になりますが、不動産投資で管理することになる資金というのは、物件の運営に関わる費用のことです。具体的には不動産を購入する資金と、不動産運営に関わる管理費用やローンを組んだ後に支払うことになる利息も含まれます。
特に不動産を使った投資においてはローンという名の借金を組むことが多いのでこのローンとの付き合い方が投資結果を分けることになります。ローンは自分が用意した自己資金の7倍まで組めると言われているので自己資金が400万円の場合には2,800万円までローンを組めるのです。
自分が用意できる7倍までのローンを組める以上、資金管理が大切になるのは言うまでもありませんよね?不動産投資における資金管理のポイントは年間の利回りをどの程度にし、どこまでの金額のローンを組むかを決めることです。
身の丈をはるかに超えるローンを組んでしまうとリストラや病気で収入が大きく減った時に借金だけが残るなんてことも十分に考えられます。不動産に限らず初期投資が莫大になるタイプの投資は初期投資時の資金管理次第で投資結果が大きく変わります。
住宅ローンを組む際の注意点
ここでは不動産投資に取り組む際に多くの人が利用することになる住宅ローンにおける適切な資金管理方法について紹介します。ローンを組む際の資金管理で鍵になるのは不動産を購入するための費用とその他の諸経費をあなたが管理できる範囲に抑えることです。
不動産投資に取り組む人の多くは前者の不動産の購入費は念頭に入れていますが、後者のその他の諸経費についてはほとんど把握していないことも少なくありません。実は不動産投資における資金管理ではこの「その他の諸経費」がとても大切になります。
そもそもその他の諸経費とはどんなものかといいますと不動産購入時に発生する各種の費用と不動産購入後に毎月発生する不動産の管理費です。
どちらも不動産投資の資金管理をするためには正確な金額を把握する必要がありますが、こと資金管理において肝になるのは不動産の管理費です。
不動産を買った後は管理業者と契約して物件の管理などを行ってもらうので不動産の借り手が見つからなくても一定のコストがかかります。それに不動産は古くなると適宜破損箇所を修繕しなくてはいけないので修繕費が発生します。
このことを念頭に入れて不動産を買うときには総額でいくらかかり、買った後にはどれくらいのコストが毎月発生するかを把握する必要があります。
逆に言えば資金管理さえきちんと出きれていれば、後は借り手を見つけるだけでよいので不動産投資の成功に「グッと」近づきます。
投資で入ってくるお金をチェックする
ここまで不動産投資における「出て行くお金」について紹介してきましたのでここからは不動産投資で入ってくるお金についてみていきます。
不動産投資で毎年入ってくるお金というのは(不動産収入-年間の経費)です。年間で発生する経費は先程紹介しました毎年のランニングコストです。例えば毎月不動産の管理費と保険料に3万円がかかる場合は年間で36万円がかかります。
そして毎月の家賃を10万円とした場合は年間で120万円となるので入ってくるお金は(120万円-36万円)の84万円です。毎年84万円の収入では初期投資に使った金額が何年で回収できるかを考えてみる必要があります。
仮に初期投資に使う金額が不動産の購入費とその他の手数料で2000万円だった場合は回収するのに20年以上の期間がかかります。(2000万円÷84万円=23.4年)
ここまで見てきましたように不動産投資における資金管理のコツは出ていく資金と入ってくる資金を把握して回収できる期間を考えることです。今回の資金管理方法は不動産投資の資金管理方法ですが、他の投資にも応用できます。
株式投資ではまず値下がり範囲を決める

次に株式投資における資金管理について見ていきます。
株式投資は不動産投資と違って毎月のランニングコストが発生しないですし特に大きな初期投資が必要ではありません。不動産投資とは少し違ったタイプの株式投資における資金管理のコツは、あらかじめ許容できる最大損失額のラインを定めることです。
例えば100万円分の株式を買い、許容できる最大損失額を投資総額の2割である20万円とします。この場合は株式の価値が20万円下がった時点で損切りをするのが正しいタイミングでの資金管理となります。
株式投資で資金管理を行う際に鍵になるのは、分散投資を行って複数の銘柄に投資をすることです。新聞などで企業の株価の推移を見たことがある人にとっては自明なことかもしれませんが、特定の株価が20%下がることは結構頻繁に起こります。
それに特定の企業の株式に投資金額を全て投資すると投資結果をその企業の株価に委ねることになるので非常にリスクが高いです。それが10社に10万円ずつ投資すれば仮に投資した一社が潰れたとしてもMaxの損失額は10万円に収まります。
このように投資する株式を複数にすればどこかの企業の株価と一蓮托生という状況を避けることができます。不動産投資と違って頻繁に投資対象の価値が変動する株式投資の世界では分散投資の質が資金管理の質を決めます。
自分が狙う値上がりラインを決める
株式投資の資金管理においては株価の下落だけでなく株価の上昇という形で入ってくるお金の管理も必要になります。例えば株式を売却して利益を確定するタイミングを購入時の2割増しの金額とすると最大の期待リターンは元本の2割となります。
100万円を10社の株式に10万円ずつ配分しているとするとそれぞれの株式の利益確定価格は12万円となります。この場合、1社の株式ごとに狙えるリターンは2万円となるのでトータルでの最大利益額は2万円×10で計算される20万円となります。
先程紹介した損切りラインである2割ダウンと利益確定ラインである2割アップを複合的に考えると今回のケースでの株式投資の資金管理は80万円~120万円となります。
このラインを見てもう少し利益を狙いたいということでしたら利確ラインを2割から3割にあげて各株式の売却タイミングを12万円から13万円に上げる等の対策が必要になります。その場合、株式投資における資金管理ラインは80万円~130万円となります。
このように株式投資の資金管理でポイントになるのは株式の許容下落ラインと希望する値上がりラインを決めることです。株式投資の資金管理のポイントは、一度投資商品を買えばそれ以降にコストが発生することがない金融商品全般の資金管理に応用できます。
投資結果を決める資金管理に関するまとめ

このコンテンツではここまで不動産投資と株式投資における資金管理のコツについて紹介してきました。今回紹介した投資商品は日本人に人気の不動産と株式ですが、不動産投資と株式投資における資金管理のポイントは他の投資商品の資金管理にも転用できます。
初期投資をした後にも定期的にコストが発生する投資信託のような投資商品の資金管理には不動産投資の資金管理手法がそのまま使えます。それにFXや金投資のように購入時の金額との差異で損益が発生するタイプの投資商品の資金管理は株式投資のケースがそのまま使えます。
このコンテンツの冒頭でも紹介しましたが、投資の結果は資金管理でほとんど決まるので投資に取り組む際は、まず資金管理に力を入れることをおすすめします。ちなみに投資で成功するためには資金管理と同じくらい投資商品を厳選することが大切です。
投資初心者や投資中級者におすすめの投資商品についてはこちらのコンテンツでまとめています。