投資の考え方

先入観は投資の世界で大損をもたらす

投資入門

投資入門の第一歩は先入観を捨てること

投資入門の第一歩

投資入門の第一歩は投資に適した考え方を養うことです。

投資の世界は投資のない日常生活の判断基準では、利益を出すことがとても困難です。日常では何も問題なく自分でも正しいと思っていた判断や考え方が、投資の世界では大きな損害をもたらすということは少なくありません。

その中のひとつに先入観による判断というものがあります。

投資でなくとも、先入観が人を傷つけることは往々にしてありますが、今回は投資の考え方を通じてこの先入観の排除にトライしてみましょう。

先入観はとても怖い・・・

 

投資入門の第一歩は先入観を捨てることを話しました。では、先入観とはいったい何なのでしょうか?

先入観とは誤った認識、不当な評価

先入観とは、事実と違う本人だけの主観による誤った認識や不当な評価のことを言います。

例えば先入観によってよく起こる誤解というもので私がすぐに思い浮かぶのは「堀江貴文」さんです。

 

堀江貴文さんは実業家ですが、トレーダーだと思われることがあるそうです。あるTV番組に出たときは、携帯をいじりながら株を動かして金儲けばかりしていると批判されたことも。ITだろうが実業家だろうがも、なんとなく若くて稼いでそう=株取引というステレオタイプ(広く浸透している先入観)があるのでしょう。

自分はこう思っていたという思い違いは、事実と大きく異なっていることがとても存外多くあります。なぜこんな思い違いが起こるのでしょうか。

人間は見たもの、聞いたものを事実として学習する

実は、主観というのはすべて思い違いと言っても過言ではないのです。

突然こんなことを言われると、え? 今見えているものが全部思い違い? そんなわけないよ・・・と考える人も多いですよね。もっともだと思います。

ただ、見たもの聞いたもの経験したものが実は嘘だとしたらどうでしょう? 例えば嘘をつきそうにない人が単純にいたずらで些細な嘘をついたら? だまされますよね。

それは疑う理由がないのと同時に、人は優れた学習能力があるからですね。先入観とは、人の評価や判断、感想そのものなのです。人間が思い込みだけでうまく生きてけるのは、その思い込みが事実と(今までは)さほど違わなかったためと言えます。

しかし、こと投資となればそうはうまくいきません。思い込みと事実の些細な食い違いは投資の世界で致命傷となりえます。

よくある思い違いは大損害のリスク

思い違いは大損害

そんな大げさなこと言って、そこまで大損害を被るような大きな思い違いなんて人生でそんなにないでしょ・・・と思う方もいるかも知れません。ごもっともではありますが、投資の世界では些細な思い違いが致命傷になることがあります。

ためしにひとつ、ゲームでもしてみましょう。

突然ですが、ニワトリのトサカの色というのは何色だったでしょうか?

こんなに簡単な問題を出すと、まるでトラップのように感じるかもしれませんね。普通に考えれば答えは赤です。実際に答えは赤で合っているはずで、通常のゲームならここで問いも答えも完結します。

しかし、これが投資となるとそうはいきません。さて、このニワトリのトサカの色は赤であるという情報を入手したあなたは、この情報の正確性に果たしていくらまで投資できるでしょうか? ゲームを続けてみましょう。

いくら投資するかが最も大きな問題

あなたは投資家で、1000万円を持っているとします。ニワトリのトサカに色が赤という情報の正確性に投資するとして、その投資の金額を決めてもらいます。

もし本当にニワトリのトサカが赤い色という情報が正しければ投資した元手は増えますが、もしこの情報が間違っていれば投資した金額は無くなり損失となってしまいます。

さて、1000万円のうちいくら投資できますか?

投資に失敗したら金がなくなるという事実

ニワトリのトサカの色は赤に決まっていますよね。決まっていると言って1000万円全額を投資できるでしょうか?

結論から言うと、いかなるときも運用資金の全額を投資すべきでないというのが投資の基本です。いくら分かりきっている情報とは言え、その分かりきっているということが先入観ほかならず、これこそが危険だからです。

さて、ニワトリのトサカの色の答えを言いましょう。

答えは黒です、赤と答えた人は投資金額を没収。・・・実際にこんな結果で投資金額を没収されたら納得できませんよね。

そもそも4つの選択肢の中に黒が入っていないじゃないか、と思う方もいるでしょう。しかし、4つの選択肢の中に答えが入っていると決めたのは実際は回答者の主観。もちろんこれも納得できるようなものではありませんが、投資をするためにはこんなことまで考えなければならないようなのです。

しかし投資の実体は、こんなことがたくさんあるのです。詐欺師がいるという話ではありません。真実とは驚くほど以外な姿をしていることがあるということで、主観というのがいかに脆弱かという話です。

あり得ない結果

投資家が納得しようがしまいが、「あり得ない」「運が悪かった」「100年に1度の偶然」と嘆こうが、投資の結末はお金を儲けた人と損した人が存在するというのが事実です。

さて、このあり得ない結末で損した人は多いのでしょうか少ないのでしょうか。答えは、成功した投資家全員が自分ではあり得ないと思っていた結末で大きく損をしたことがある人だといいます。その裏の意味は、大きな損をするときはいつもあり得ないことが起こるときで、そこから学ばない人は成功しないということでしょう。

この大きな失敗から先入観を排除しようと学習する人は驚くほど少ないです。どうすれば先入観を排除し、大きな思い違いをしないようになれるのでしょうか。

投資へ入門。曖昧かつ正確な判断

 

先入観や思い違いを排除するのはそう難しくありません。

自己の中でパラダイムシフト(意識転換)を行うだけでそれは可能です。それではどのように意識転換をすればいいのでしょうか。

主観的情報を客観的情報へ置換する

客観的判断において、主観を排除します。これは評価や判断の大前提で、例えば「美味しい」などをはじめとする主観的情報はとにかく排除&排除、「美味しいと思う人が何人いるか」という客観的情報に置き換えましょう。

ウサイン・ボルトが「速い」という主観情報も排除、「100mを何秒で走るか」という客観的情報に置き換えます。

分からないものは「分からない」と分類する

主観情報を客観情報に置換したのであれば、次は客観的情報に置換できない、情報のない情報を排除します。例えば「この飲食店は人が入っているので儲かっているに決まっている」という主観情報は「経常利益がいくら」という客観情報に置き換えられますが、この店の経常利益高という客観的情報を手に入れられないなら「分からない」と分類します。

これは曖昧ではありますが、「不明は不明」という事実なので、極めて正確な情報と言えます。

客観的情報の意味と価値を主観で判断しない

一見客観的に見える情報が手に入ったとしても、この情報がどういう意味を持つかを正しく評価する必要があります。

例えば、投資において月利200%のトレード手法という商品があったとします。月利200%は真偽はさておき極めて客観的な判断材料ですよね。

さて、この月利200%のトレード手法、本当に価値があるのでしょうか? 実際には価値があるかどうか判断するには情報が少なすぎます。例えば毎月1000円で投資をして、ある月だけ3000円になったとしましょう。これは紛れもなく月利200%を達成しています。この月利200%のトレード手法、価値があるかどうかまだ分かりません。

それでは平均月利200%ならどうでしょう?

毎月1000円投資して、3か月目に1000円が9000円になりました。これも平均月利200%ですよね。4か月目に利益がマイナスになろうが、3か月目で成績を区切れば嘘は言っていません(と言えるものなのです)。

これまた客観的事実に価値があるかどうかを、主観で判断してはいけません。

本当に価値があるかどうか、客観的な結果を検証しましょう。

方法的懐疑。仮定を検証すること。

主観とは、人間の学習機能だといいました。

その学習機能もとい主観など「これまではそうだった」というまでのことですね。これまではそうだったと結果と、投資した結果が違うことによって失敗してもお金を失うだけとなってしまいます。

分からない場合、なかなか大変ですが、毎回しっかり事実を確認をするとで投資は結果に結び付くと言えます。

100%の事実なんて存在しないじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、残念ながらその通りなのですね・・・。逆に言えば、100%正確な事実を把握できれば投資の勝率も100%、億万長者間違いなし。もう少し言えば、思い込みを排除し事実をしっかり把握するだけで投資の勝率も確実にあがるということではないでしょうか?

目に見えるものは今もう一度確認しなければ本当の意味で正確とは言えません。いえ、事実を確認しても(確認先の情報源が)正確かどうかなど分かりはしないのです。

もし思い違いが多いという方が、主観を多いに疑ってやりましょう。