短観(企業短期経済観測調査)発表と相場に食い違い

ニュースのポイント
- 日本の大企業・製造業に対する楽観度が前四半期の10年間でピーク
- 基本的に短観の評価では好景気ムード
- しかし、円は行き場を失っているよう
日本銀行の短観事業調査が好調なのにも関わらず、水曜日、日本円の動きは事実上なかった。
大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス22で、2007年9月以降最高水準。市場予想の中央値のプラス18を大きく上回った。3カ月後の先行きはプラス19の見通し、ここも市場予想の中央値プラス16を上回る。中小企業景気判断も2006年以来同じく最高水準。
短観により予想される年末の日本経済の上昇傾向と異なり、為替では円安が進む。
日本銀行は、物価上昇2%を達成するまで超低金利政策を変えないということだが、現在物価の上昇率は0.7%。道のりは長い。日本銀行がこのシナリオに固執してる間は日本経済が金融政策を動かすこともなく、円の投資傾向が変わることもないだろう。
日本円は、1カ月間全体的に米ドルより強い圧力を受けており、ドル円相場は急激に上昇。現在少し勢いに陰りは見えるが、金利差が非常に大きく利上げの可能性が高いだけに、今後最後の3カ月間で円相場の反撃は難しいように見える。
10月2日 2017年
原典:「Japanese Yen Steady Despite 10-Yr Tankan High, USD/JPY Tiring」
編集部の見解
以上、海外メディアの報じた円安に関するニュースでした。
アベノミクスでは輸出産業を主力する円安政策と好景気は一致しますが、日本経済の好景気=円安はやはり為替相場の基本とはずれているようですね。
それにしてもチャートが示すように、今回の円安はとてつもない上昇の速さで押し目がなかったですね。
今回のニュースによると、今後の見通しではレートが円高に振れるのは難しいとのこと。現在少し落ちていますので、様子を見てロングしてもよさそうですね。