FOMCの議事録発表後にドル円のわずかな売り

ドル円は、これまで推移していた112.00円から112.50円の間で上昇から下落に切り替わり、113円から続いていたハンドルは切り上げられた。
その背景としては、まずアメリカドルが牽引力を失っている。相場が急変する見通しはなく、ドル相場は金曜日に発表される9月の小売り業の売上高と消費者物価指数(CPI)のデータに注目している。
一方、日本円は現在抱えている衆議院総選挙の恩恵を受けている。朝日や日経などの地元メディアの間では、自民・公明党が勢いを増しており、安倍晋三首相が選挙を制すると報道されている。
専門家による今後のドル円動向
FXstreetのチーフアナリスト Valeria Bednarikは、ドル円の4時間チャートはレンジ相場だと説明。
「テクニカル指標は現在、今後の価格動向を示すほど十分なものではない。ドル円の価格は100 SMA(過去100日間の単純移動平均線)を数pips下回っているが、心理学的しきい値(※)である112.00円で買い意欲を満たしている。が、最終的にはドル円は短期的な弱気相場に振れ、111.60円の価格まで下落するだろう。」
*心理学的しきい値:参加者にある行動を促すための最小の値。ここではトレーダーに「買い」という行動をさせるための最小の値が112.00円だということ。
10月12日 2017年
原典:「USD/JPY: slightly offered in Tokyo open post FOMC minutes in NY」
編集部の見解
今回のニュースでは、FOMCの議事録発表後にドル円が少し売られた(円買い・ドル売り)という内容でした。その理由は主に以下の3つ、
- ・9月議事録の内容は市場に織り込み済み、相場への影響は限定的
- ・米ドルは今週金曜に発表されるデータに注目
- ・衆議院総選挙の行方が順調だと報道、不確実性が消えたことによる円買い
です。
現在日本の金融市場では日経平均が高値を更新しています。その理由は、海外の運用会社がスペインの地政学リスク等を考慮して欧州株から日本株へ資金をシフトしており、今後発表される4~9月の日本の企業業績に注目しているからですね。そのためこの株高は今後も続くと考えられ、為替相場にはポジティブな材料ですよね。
またアメリカにおいても12月の追加利上げが見込まれているため、金利上昇によるドル高が予想されます。
以上のことを踏まえると編集部では、ドル円のラリー相場は今後も続き、中期的には上昇していくと考えています。そして価格が移動平均線を下回っている今、ドル円はロング(買い)がおすすめでしょう。