「専業トレーダーの生活」資金管理で生計を立てる

専業トレーダーの資金とその生活は密接な関係にあります。
なぜなら、専業トレーダーは運用する資金が多いほど収入も増え、収入が増えるほど生活は快適になるからです。そして、生活が快適であるほどトレードに必要な設備にお金もかけられます。その結果は成績にも影響し、収入が増えるほど資産が増えるという好循環を生みます。
このように華やかに見える専業トレーダーの生活ですが、その自由な生き方は必ずしもメリットばかりではありません。専業トレーダーは職業ではありませんし、資金が減れば生活が危うくなる可能性もあります。そもそも専用トレーダーは世間にもあまり理解されにくいというデメリットもあるのです。
そこで今回は専業トレーダーの生活と資金に関する話をしていきます。
FXや株トレーダーの暮らしは運用額で決まる
一般的に資産や収入が多ければ多いほど生活は快適なものとなります。
専業トレーダーとして生活していくのにも当然資金が必要となりますが、サラリーマンなどの会社員などと比べて株やFXで生計を立てる専業トレーダーのほうが、資金と生活の関係はよりシビアといえるでしょう。
ここでは専業トレーダーの生活レベルと持っている資金の関係がなぜシビアなのか考えてみましょう。
専業トレーダーの収入は資金(元手)の大きさで決まる
実力がものをいう専業トレーダーですが、必ずしも実力があっても「収入が多い」「資金が多い」「良い生活を過ごしている」とは限りません。
「え? 実力があるだけじゃ専業トレーダーとして生きていけないの?」
その答えはYESです。ただしNOに近いYESなのです。これはどういうことかこれから説明しますね。
【ケース1】
100万円の資金をFXで運用し1か月で110万円にできる専業トレーダーAがいるとします。
この場合の利益は10万円。このケースだと専業トレーダーAの月収は10万円にしかならず、生活していくのはとても厳しくなります。
【ケース2】
1億の資金をFXで運用し1か月で1億200万円にできる専業トレーダーBがいるとしましょう。
この場合の利益は200万円。この専業トレーダーBの月収は200万円になりますので、豊かな生活を送ることができます。
では、この「月収10万円の専業トレーダーA」と「月収200万円の専業トレーダーB」、トレーダーとしてはどちらが優れているでしょうか?
この答えは「月収10万円の専業トレーダーA」になります。
なぜなら、専業トレーダーAは100万円を使って元金の10%を稼いだことになりますが、専業トレーダーBは1億円を使って元金の2%しか稼げていないことになるからです。つまり、100万円の資金を110万円にできる専業トレーダーAは、1000万円の資金を1100万円、1億円の資金なら1億1000万円にできる可能性が高いということなのです。
もし仮に専業トレーダーAと専業トレーダーBの元手が両方とも資金1億円の場合
- 専業トレーダーA:月収1000万円
- 専業トレーダーB:月収200万円
を稼ぐことになります。
結果、専業トレーダーAの方がお金を増やせる能力が高いという評価になりました。
このように専業トレーダーの能力が高くても、結果として元手資金の多い方がより多くの収入を生み出せるということになり、専業トレーダーの収入や生活が大きく変わってくるということになります。
資金管理は、専業トレーダーの生活と仕事そのもの

専業トレーダーは、サラリーマンや兼業トレーダーと異なり、トレードで稼ぎ続けなければ資金が減り、資金が減ることにより収入すら減ってしまうという危機に常に直面しています。
専業トレーダーの生活は資金管理に支えられている
そのため専業トレーダーは、資金管理を会社の経営者よりもシビアに行う必要があります。
例えば、月に元手資金の10%の儲けを出して生活できる専業トレーダーがいるとします。この専業トレーダーの元手資金が500万円だとするなら、月収は500万円の10%、50万円となります。
しかし、この専業トレーダーがトレードに失敗したり散財したりした結果、500万円の資金を300万円にまで減らしてしまったとしましょう。その結果、専業トレーダーの月収は300万円の10%、30万円となってしまいます。
こうなると月収30万円の生活から50万円の生活に戻すために、月収30万円のうち10万円を投資資金に回すため手を付けずに貯めておかなければなりません。減った200万円を補填するまでにこの間20か月(1年8か月)掛かる計算となります。
お金を貯めるほど収入が増える専業トレーダー
収入を増やすためには元手資金を増やす必要があり、元手資金を増やすためには出費を抑える必要があります。
うまく出費を抑える方法の一つとして、不動産などに分散投資をし、売り手がつくまでに物件に住むという手も良いでしょう。通常家を借りても定期的な出費(家賃)がかかりますし、購入しても数千万の大きな出費となりますが、運用できる不動産を購入することで良いキャッシュフローを生み安定的な収入につながるケースもあるのです。
さて、出費を抑えるほど収入の増える専業トレーダーではありますが、その結果贅沢な生活をしたいのに贅沢な生活を我慢するというジレンマが生じます。
もし専業トレーダーが贅沢な生活をしたいなら
- たくさん使ってもお金が増えていくほどの収入を得る
- そのために資金をたくさん貯める
- あるいは、目標資金を達成したら引退する
といったことを目指すことが考えられます。上の二つができれば本望ですがなかなか難しいですよね。
そこで目標金額を稼いだらそのあとは、稼いだ資金を自由に使いながら余生を過ごすということも視野に入れてみるのです。
目標資金を決めて稼ぐ
例えば、老後の生活は65歳までに3000万円を貯蓄すればある程度安心して生活を送れると言われています。このように、40歳まで1億、50歳までに2億貯めるんだ!という具合に資金目標を立てて生活すれば、目標達成後はそのお金を自由に使って生活してもいいとするのです。
実際は目標達成後も一度に全部資金を使うわけではないので、残った資金を運用しながら生活しつつ、専業トレーダーを完全引退する必要はありません。
こう考えるとやはり専業トレーダーとして資金を増やせる能力は生活するうえでとても心強いものですね。
FXと株、同じデイトレーダーでも違う職業のよう
株トレーダーとFXトレーダーでは、たとえ同じ専業トレーダーとして運用資金高が同じだとしても生活内容はまったく異なってきます。
日本の株式市場が開いているのは平日午前9時から午後15時まで。しかしFXの市場は基本的に月曜から金曜まで24時間開いています。株の専業トレーダーであるならこの午前9時から午後15時まででしっかり取引をするという生活が必要となりますが、FXの専業トレーダーの場合は比較的自由な生活ができます。FX市場が活発になるのがロンドン市場の開く17時~、ニューヨーク市場の開く21時~なため、この時間に取引をするFX専業トレーダーも少なくありません。
時間に縛られることのない生活を送る専業トレーダーですが、このように資金が自由でも市場をしっかり見なければなりません。
とはいえ、資金や利益があるならやはり生活は自由そのものです。
結婚後もデイトレーダーで生計を立てるなら
さて、自由な生活を送る専業トレーダー、資金に余裕があるといっても、結婚となると話が違うかもしれません。
結婚後も専業トレーダーとして生計を立て生活をするのはとても大変なことです。
その理由は2つ。
- 結婚すると出費が増える
- 世間体
では順に説明していきましょう。
結婚をすると出費が増える
現在は資金に余裕のある生活だとしても、結婚をすると新居に始まり家具、生活費など当然出費が増えていきますが、資金を運用して生活を営む専業トレーダーにとって出費は大敵。出費はすなわち資金の減少、運用する資金が減少すれば当然収入は減ることに直結します。
少なくとも億を超える資金で毎月1%以上は利益を望める生活が望ましいですね。
彼氏が専業トレーダー? 結婚するにも無職が気になる
さて資金が潤沢にあって豊かな生活が望めても、世間体というものを気にする相手もいます。専業トレーダーというのは職業ではありません。そもそもトレードが労働ではないため、トレードで得る収入は不労所得となります。
優秀な専業トレーダーと結婚することは、資金的にも時間的にも自由な生活が期待できますが、パートナー、特に夫が無職というのは世間体が気になります。
結婚する専業トレーダーは法人格を取得しよう
そんな世間体が気になる専業トレーダー(もしくはパートナー)は会社設立をするのがベスト。
会社設立は資金さえ潤沢にあればさほど難しいことではありませんし、節税対策にもなります。何より会社設立することにより個人の専業トレーダーとしてやっていることは同じことでも、企業の代表取締役という肩書きを手に入れることができます。さらに銀行からも融資を受けやすくなるなど社会的な信用が生まれます。
このように、オフィスを構え会社の仕事として資金を運用するという生活を送れば、世間体としては何も問題ないことでしょう。
まとめ。専業トレーダーの生活と資金
専業トレーダーはトレードがうまくいっているうちは資金も生活も心配いりませんが、資金が減少し生活が貧窮してくると不安が生じてきます。
専業トレーダーとして資金を運用していくのは自由で良い生活とも言えますが、サラリーマンや公務員などと違い安定した収入を得ていくのは難しいのが現状です。とはいえ、一代で巨万の富を築くことができる可能性も秘めている専業トレーダー。そこまでの道は一足飛びにというわけにはいきませんが、地道にコツコツと資金を増やしながら勝率を高めていくことが、専業トレーダーとしての成功に向けた近道といえるのではないでしょうか。