
短期間で高収入を得られると話題のFX。
しかしいざトレードに成功し、大きなお金が入ってきた後には必ず、税金を納めることになります。
たとえFXであろうと、税金を納めないとなりません。
FXで利益が出た場合、税金を支払うためにも、確定申告の手続きが必要になってきます。
それは会社で年末調整をしてもらっている会社員であっても同じです。
ただ一言で確定申告と言っても、
何をすれば良いのでしょうか?
申告に必要な書類は?
会社員でも確定申告は簡単?
今回はFXの確定申告で必要なものや、よくある疑問点について解説します。

FXで利益が出れば、確定申告をする義務があります。
これはあくまで利益が出ている人が対象で、
利益が少なかったり、赤字の人の場合は確定申告をする必要はありません。
ただし、義務がないからといって、確定申告ができないというわけではありません。
赤字を出してしまった人が確定申告を行えば、損益通算や繰越控除などができるので、実は赤字の人ほど確定申告をやることにメリットがあります。
確定申告は確かに面倒な手続きですが、やっておくと色々なメリットがあります。
ここではまず、
- ① 確定申告が必要な人の条件
- ② 損失の場合での確定申告
- ③ そして確定申告に必要なモノ
など、確定申告をするにあたって覚えておきたい事を解説していきましょう。
まずはFXにおいて確定申告が必要な人の条件からです。
① 確定申告が必要な人の条件
まず確定申告の義務がある人というと、一定以上の利益を得た人を指します。
その詳細を挙げると、確定申告が必要な人の条件がこちら。
- ・年間を通して取引利益がある
- ・給与所得があり、それ以外の各種所得の合計が20万円を超えている
一般的な会社員がFXで20万以上の利益を出したら、確定申告が必要になります。
また給与所得者以外の無職や専業主婦などは、年間所得が38万円以下ならば確定申告は不要です。
ちなみに会社員でFXの利益が20万円以下でも、CFDや商品先物の利益の合計が20万円を超えるようであれば、やはり確定申告は必要になってきます。
FXの所得は「先物取引に係る雑所得」に分類されるので、株や投資信託では損益通算はできません。
しかしCFDや商品先物などであれば、損益通算が可能です。
つまり普通の給与所得者は、以下の条件で覚えておくと良いでしょう。

では利益は出ておらず、逆に損失が出ている場合はどうか。
最初にお話した「赤字の人ほど確定申告することにメリットがある」とは、どういうことか。
次で解説していきます。
② 損失の場合での確定申告
FXの利益が20万円より少ないばかりか、
損失の方が多く、赤字だった場合はどうなるのでしょうか?
結論から言うと赤字の場合、確定申告の義務はありません。
しかし、確定申告で損失の負担を軽減させることができます。
それが損益通算です。
先ほども話したように、FXの損益はCFDや商品先物などの「先物取引に係る雑所得」と損益通算することができます。
FXで-50万円
CFDで+100万円だった場合
➡ 損益通算することで損失はなくなり、50万のプラスを維持。
また所得が少なければ、その分税金も安く済みます。
上記のように、たとえ赤字でだったとしても損益通算を利用した確定申告をすることがおすすめです。
更には確定申告をすることで、損失を翌年に繰り越すことも出来ます。
※ FXの損失繰り越しは3年間まで可能です。
前年-50万円の損失
今年+50万円の利益だった場合
➡ 前年の損失を繰り越していたとして、今年の利益と通算し、損失は相殺されます。
また所得0円ということで、本来50万円分払わなければいけない税金も節約できました。
ここまで赤字であった場合の確定申告を紹介しましたが、
やはり利益が出ていてもいなくても確定申告はした方がいいでしょう。
損益通算と繰り越し控除ができるというメリットがあります。
ではいざ確定申告をする際に必要なものについて、見ていきましょう。
申告に必要なもの
確定申告を行う際に必要なものをまとめました。
チェックしておきましょう。

まずFXの確定申告をする場合、事前に用意すべき書類が2点。
それはFXの「 損益報告書 」と本業の「 源泉徴収票 」です。
損益報告書は、取引に使ったFX会社に言えば発行してもらえます。
郵送か、もしくはダウンロードで入手できるので、税務署に行く前に準備しておきましょう。
確定申告の時期に合わせてFX会社より発行してもらえますので、必要になったらFX会社から取り寄せてください。
また源泉徴収票も事前に勤務先などから入手しなければなりません。
2つ揃ったら、いよいよ税務署にて確定申告の手続きです。
税務署で確定申告の手続きをするにあたって、
「 所得税申告書第三表(分離課税用) 」
「 確定申告書B 」
「 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書 」
の3点が必要になります。
これらは税務署でもらえる書類なので、自分で用意する必要はありません。
ただし、それぞれの書類の書き方については、事前に調べておいた方が良いでしょう。
事前に書き方を調べておけば、確定申告当日はスムーズに作業を終えることができます。
では実際に確定申告の流れを見てみましょう。

ここではまず、FXの基本的な確定申告の流れから紹介します。

一つずつ確認してみてくださいね。
1)入力に必要な書類の準備
これは先ほどお話した通りですね。
「損益報告書」と「源泉徴収票」を用意します。
2)作成方法の選択
国税庁のHPから「 確定申告書作成コーナー 」のトップにいくと、
作成方法の選択ができます。

はじめての方は左の作成開始を押してください。
3)税務署への提出方法の選択
税務署への提出方法は2つあります。
- ・オンラインで提出
- ・税務署にて書面で提出

オンライン方法については、後ほど案内しますね。
まずはベーシックな書面での提出方法で、ここでは話を進めます。
4)作成する申告書等の選択
事業所得・不動産所得がなければ左側の「所得税」欄に進みます。

5)申告書等の作成・中断・再開
申告書は作成例に沿って作成していきましょう。
もし途中で作業を中断したくなっても大丈夫です。
一時保存ボタンを押して終了してください。

また、一時保存したデータはトップ画面の「 保存データを利用して作成 」から確認できます。

6)申告書等の提出
申告書等の書類が準備できたら、以下の方法でそれぞれ提出しましょう。

以上、書面での提出の流れでした。
税務署に行く前にしっかりと準備しておきたいですね。
しかし、確定申告の為に平日昼間に税務署まで寄れる人は少ないのではないでしょうか。
そんな人には、オンラインでの提出方法がおすすめです。

FXの確定申告の手続きは税務署で行えます。
ただ普段は仕事で忙しい会社員の方の場合、平日の昼日中に職場を離れて税務署に行くというのはなかなか大変ですよね。
特にFXをしていることを隠している方ならば尚更でしょう。
そこでおすすめなのが、ネットでできる確定申告ツールです。
みなさんは「 e-Tax 」を知っていますか?
国税庁の公式HPにアクセスし、このツールを使って24時間カンタンに確定申告の手続きが行えます。
▷▷ e-taxへアクセス
手続きの流れは次の通りです。
- 1. “確定申告書等作成コーナー”で必要書類を作成
- 2. 利用者登録後、IDの取得
- 3. 専用ソフトをダウンロード後、初期登録
- 4. 確定申告書等の送信・印刷
ただしこの電子申告の利用には、マイナンバーカードもしくは税務署発行のID/PWを準備しなければなりません。
またマイナンバーカードで進める場合は、ICカードリーダーが必要です。

2019年1月以降より、パソコンのみならず、スマートフォンやタブレットでも確定申告が可能になりました。
ICカードリーダーを準備する等の多少の面倒はありますが、毎年行う際の手間を考えると初期設定としては十分価値があると言えます。
ネットからの確定申告に興味がある方は、まずは「e-Tax」にアクセスしてみましょう。

そもそも確定申告とは、会社の給料とは別に収入源があることを国に申告する意味です。
つまり収入が増える分、実際に払う税金の額が上がってしまうということ。
例えば住民税などの税金が上がった際、
その他税金も上がっていると年末調整中の企業側が気づくと思います。
会社や家庭に内緒で副業FXをしている人は、税金の高さから何か副業をしていると疑われるでしょう。
流石にいきなりFXとまでは突き止められずとも、そんな場面は避けたいですよね。
果たして会社にFXをしていることがバレることなく、確定申告をする方法は無いのでしょうか?
ここでは副業でFXをしている人の為に、気になる確定申告の注意点を解説していきます。
副業がバレたくない!確定申告
副業でFXを始める人が多いからか、こんな質問がよくあります。
FXを副業としてやっていますが、会社にバレたくありません。
何に注意したらいいですか?
そもそも会社に副業がバレる原因は、
住民税が給料と比べて高くなっているからであって、そこさえ気づかれなければFXをしていることが会社にバレることはありません。
つまり確定申告の時に、住民税の支払いを自分で納めるようにすれば、バレずに済むということです。
基本的に税務署は税金さえ払ってくれれば、それ以外のことに関心を抱きません。
税務署からわざわざFXをしていると会社に告げることもないです。
住民税さえ自分で払っている限り、FXなどの副業が会社にバレることはないので、確定申告の時だけ忘れないようにしましょう。
口座解約後の確定申告
複数の口座を開設していると、口座凍結などの理由で慌ただしく解約に至ってしまうことがあります。
➡ FX口座を解約してしまうと、確定申告に必要な「 損益計算書 」の発行ができません。
口座を解約する前に必ずプラットフォームからダウンロードするか、取引状況の確認をしておいてください。
取得方法はFX業者がそれぞれ解説ページを出していますので、チェックするといいでしょう。
▷▷ 「損益決算書」の取得方法例
ダウンロードしないうちに、うっかり解約なんてことがないよう気を付けたいものですね。
では、最後にまとめです。
FXで運用益が出た場合は、必ず確定申告が必要になります。
たとえ損失しか無いようなケースであっても、損益通算 や 繰越控除を利用して確定申告することがおすすめです。
会社員の場合であれば、直接税務署に行くよりも、国税庁のHPにある“e-Tax”より手続きをした方が何かと便利でしょう。
また確定申告の手続きの際、住民税の支払いを「自分で納付」する欄にチェックしておきます。
そうすれば、会社にバレずに副業し続けられると分かりましたよね。
何度も言うようですが確定申告はFXで利益が出ている以上、必須の手続きです。
もしもこれを怠ると、ペナルティとして追加で税金を納める等の重い罰則を受けることになります。
これからFX口座の解約予定がある人は、確定申告の手続きで困らないように、事前に取引状況を調べておくべきです。
もちろんFX業者に損益報告書を発行してもらうことを忘れずに。
それではこの辺でFXの確定申告についての解説を終わりたいと思いますが、
FXの口座解約方法などが気になる人は次の記事を参考にしてみてください。