「投資はギャンブル」?意外と知らない違い

「投資ってなんだか怖い」って思ってませんか?
投資と投機
でも、そもそも金融商品を買うという行為がすべて「投資」だと思っていませんか?
資本に投じる「投資」
投資は文字通り「資本」にお金を投じることを意味します。
何かしら、これから成長しそうなものや新しく何かを生み出しそうな手段に対してお金を払い、そこから生み出された利益を受け取ることが投資です。
たとえば株式投資では、その企業の成長や事業拡大を見越して株式を購入し、企業側は出資してもらったお金をもとに事業を行っていく。その利益を配当金や株主優待として投資家(株主)に還元する。
機会に投じる「投機」
この「機会」とは、簡単に言えば短期的な値動きのことです。
株のデイトレードや為替取引などは、その値動きによる差額から利益を得ようとする「投機」に当たります。
為替にお金を投じても付加価値は生まれないので、fxでは短期でも長期でも「投機」となります。
マンションを持つことで得られる家賃収入が目的の場合、それは「投資」
不動産価格が変わってマンションの値段が上がった時に売って利益を得るのが目的なら「投機」
といえます。
実は類似点もある?
「投資はギャンブルとは違う!」と全否定する人も多いですが、世間一般で言われる「投資」とギャンブルは、全く違うものとは言い切れません。
完全に異なるものだったら、「投資はギャンブルでは?」なんて疑う人が生まれるわけがありません。
同じところ、似ているところがあるからこそ、投資=ギャンブルと考える人が一定数いるのです。
同じだと思われる理由
では、「投資」がギャンブルだと思われてしまう理由はどこにあるのでしょうか?
前の章で、世間一般に言われる「投資」は投資と投機に分けられる、と話しました。
「投資」がギャンブルだと思われるゆえんは、主に「投機」にあるといえます。
皆さんは、ギャンブルってどんなものだと思っていますか?
パチンコ、競馬、カジノ、宝くじなど…世の中には沢山のギャンブルがあふれかえっています。
ギャンブルとは、勝負ごとにお金をかけて、勝った人が一定割合の配分を受け取るものです。
先ほど挙げたギャンブルの例の共通点は、お金を賭けることはもちろん、「一回の勝負が短時間(短期間)で終わる」こともあげられます。
この短時間での勝負が、FXや株式のデイトレードなど、投機の特徴である短期間での取引と重なる部分があります。
また、FXでは特に、レバレッジと言って、担保を用意することで自分の用意した金額よりも多額の取引を行うことができます。レバレッジをかけすぎると、一度に大損をする可能性のあるハイリスク・ハイリターンの取引となります。
このように、短期間で取引をし、大損をすることもある、という点を見て、投資(投機)はギャンブルだと考える人が多いのです。
やり方次第では全部ギャンブル
ギャンブルの悪いイメージというと、大損をしたり、ギャンブル依存症になったり、というものがあります。
それは、投資や投機でも同じことです。
特に投機では、自分の取り引きしたものの微妙な値動きを気にしてチャートから離れられないという依存性もあります。大損をするというのは、前に言ったとおりです。
もちろん投資でも、株を長期保有しようとしていた企業が倒産してしまえば損をします。
よく、投資や投機は過去のチャートを分析して、自分の勝てるタイミングで取引をする、といったように、頭を使うからギャンブルではない!という意見を見かけます。
しかし、ギャンブルもまったくの運試しではありません。ポーカーの世界大会があるように、確実に利益をあげている本物のギャンブラーは、複雑な確率論を理解し、しっかりとした計算のもとでギャンブルをしています。
頭を使うからギャンブルではない、という考え方は間違っています。
ギャンブルでも投資でも、絶対に勝てる方法や戦術はありません。必ず負けるリスクを伴います。
投資も投機も、感情に流されてゲーム感覚でやってしまえば、ギャンブルになりうるのです。
ギャンブルとの違いとは?
しかし、だからといって一緒にするものでもありません。
誰が得して誰が損するか
投資、投機、ギャンブルの大きな違いは、その行為によって誰が利益を得るかという点にあります。
簡単にまとめると、
- 投資はプラス・サムゲーム
- 投機はゼロ・サムゲーム
- ギャンブルはマイナス・サムゲーム
- と言えます。
投資は「プラス・サムゲーム」
株を買うことで企業に投資し、企業はそのお金を使って事業を拡大し、投資家に還元をする。
企業側としては、自社が成長する。
投資家側としては、配当金や株主優待を受け取ることができる。
これに加え、社会全体で、経済成長なども見込めます。
投機は「ゼロ・サムゲーム」
相場は常に変化しているので、常に誰かが得をし、一方で損をしています。
ギャンブルは「マイナス・サムゲーム」
競馬では、胴元であるJRAに馬券売り上げの25%が一時的に入ります。
また、大半が地方公共団体への寄付に回されるとはいえ、宝くじは48%が運営組織へのてら銭となります。
ギャンブルを行って得をするのは主催者だけなのです。
そのため、ギャンブルは参加者全員が損をする「マイナス・サムゲーム」と言えます。
得るものは同じでも目的が違う
投資や投機は、100%が利益目的でしょう。
取引を行っている人の中には、それだけで生計を立てている人が沢山います。
まとめ - 違うところも同じところもある
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- 「投資」と「投機」は別もの。投資がギャンブルだと思われがちなのは、「投機」の短期取引やレバレッジから、ハイリスク・ハイリターンなものばかりだという印象を受けるから。
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- 投資も投機もギャンブルも、やり方次第では全部「ギャンブル」になってしまう。
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- 投資は「プラス・サム」、投機は「ゼロ・サム」、ギャンブルは「マイナス・サム」
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- ギャンブルは娯楽要素が強いため、投資や投機と一緒にすることはできない。