投資の考え方

外貨預金とFXの比較

外貨預金とFXを徹底比較

外貨を扱う資産運用法でお得なのは?

 

外貨預金とFXを徹底比較

このコンテンツでは同じ外貨を扱う投資商品として、「外貨預金」と「FX」を徹底的に比較しています。

ここ2,3年のアベノミクスによる円安もあり、日本円より外貨を扱う「外貨預金」や「FX」に注目が集まっています。しかし実際に外貨預金とFXでは、それぞれ何が違うのかわからない方もいるかと思います。

そこで今回は「外貨預金」と「FX」、果たしてどちらが本当にお得なのかを徹底的に比較していきます。このコンテンツに目を通すだけで、外貨預金かFXで悩んでいるあなたも自分にどっちが合っているのかがわかります。

投資初心者でも取り組みやすい外貨投資とは?

投資を始めるにあたって最初に決めることは、どの投資商品で資産を運用していくかになります。「投資信託」、「株式」、「不動産」など選択肢は色々ありますが、最近では「外貨を活用した投資」に注目が集まっています。

外貨投資には実際に外貨を購入して預金する「外貨預金」とFX会社などでFX口座を開設して大きな利益を狙う「FX」の2種類があります。どちらも外貨で投資を行うという意味では同じですが、詳しく見ていくと大きく異なる点がいくつかあります。

 

よく比較される外貨預金とFXの決定的な違い

外貨投資を始める際に最初に確認しておきたいことは、「外貨預金」と「FX」を比較したときに何が異なるのかを把握することです。そこでここからは、外貨預金とFXで決定的に異なる点である両者の売買方法とレバレッジの有無について見ていきます

両者の売買方法の違い

外貨預金というのはその名の通り、外貨を購入してそれを預金することになります。ここで大事なのは、外貨預金は「あくまで外貨を購入すること」になります。

例えば1ドル=100円のときに1万ドルを買いたい場合、100万円で1万ドルを買うことで預金します。外貨を買うという選択肢しか取れない外貨預金と違い、FXは取れる選択肢が広いという特徴があります。

FXの場合は外貨を購入するという考え方ではなく、対象となる通貨ペアに対して「買い」、もしくは「売り」を行うということになります。つまりFXは「売りから入れる」という特徴があります

売りから入ることを投資の世界では「空売り」と言い、FXでは売りから入ってあとから買い戻すことで利益を得ることが出来ます。

例えば1ドル105円のときに実際に持っていない外貨で1万ドル分(105万円相当)を売ります。その後1ドル100円になった時に売った1万ドル(100万円相当)を買い戻すことで差額の5万円を利益として得ることが出来ます。

このように外貨預金と比較すると、売りから入る取引方法はFXにしかない特徴とも言えますね。

「レバレッジ」の有無の影響

外貨預金とFXとの決定的な違いに「レバレッジ」というものがあります。

レバレッジとは元本を最大で25倍にまで大きくして取引できる仕組みのことを指します。外貨預金と違ってFXの場合、このレバレッジという機能によって少ない資金でも大きな利益を出すことが出来ます

一方の外貨預金にはレバレッジがないので、準備した資金と同額の外貨しか買えません。例えば1ドル100円のときに、元本が10万円であれば1,000ドル分までしか買えませんね。

一方レバレッジがあるFXの場合、元本の25倍分を買うことが出来ます。例えば1ドル100円のときに元本が同じ10万円だった場合、10万円にレバレッジ25倍をかければ10万円×25倍=250万円に相当する外貨を買うことが出来ます。

ここまで見てきたしたようにレバレッジが使えるFXと外貨預金では同じ元手でも取引可能な通貨規模に大きな差が表れます。少ない資金で大きな取引がしたい方は外貨預金ではなくFXをおすすめします。

外貨預金とFXの手数料を比較

 

両者の手数料を比較

外貨を扱う外貨預金とFXでは、それぞれ取引を行う際に手数料が発生します。そこでここでは、外貨預金とFXに伴う手数料の金額について見ていこうと思います。まずは外貨預金の手数料です。

外貨預金の手数料

外貨預金の手数料について見てみるために外貨預金で人気がある4種類の通貨ペアの手数料をまとめてみました。

外貨預金で人気の通貨 手数料
(外貨預金)
米ドル 9銭~100銭
ユーロ 15銭~150銭
ポンド 40銭~400銭
豪ドル 40銭~250銭

このように外貨預金の手数料は安くても米ドルで9銭となっています。9銭というのはあくまで手数料の最小金額であり、状況次第では100銭である1円を容易に超えます。

他の通貨に目を移してみるとポンドや豪ドルの手数料の大きさが際立つと思います。特に前者のポンドの場合、1通貨単位で最大で4円である400銭も発生してしまいます。

これでは多少の為替差益が発生しても手数料で赤字が出てしまいますよね。このように外貨預金は手数料が結構かかるので利益を出すのは簡単ではありません。

ここまで外貨預金で発生する手数料をまとめてきました。そこで次にFXにおける事実上の取引手数料であるスプレッド単価について見てみます。

FXの手数料

 

外貨預金の取引手数料を見たときと同様に4種類の人気の通貨ペアのスプレッドをまとめてみました。

FXで人気の通貨ペア 手数料
(FX)
米ドル/円 0.3銭~1銭
ユーロ/円 0.5銭~1.8銭
ポンド/円 1銭~2.5銭
豪ドル/円 0.7銭~2銭

先ほど紹介した外貨預金の時の手数料と比較するとFXで発生するスプレッドが割安に感じないでしょうか?実はFXの1通貨当たりのスプレッドは外貨預金の1通貨単位で発生する手数料よりも断然お得です。

レバレッジをかけないFXと外貨預金の実態はほとんど変わらないので外貨預金の代わりにレバ無しFXに取り組んでいる人も最近は増えています。手数料というコスト面に目を向けてみてもFXは外貨預金よりも断然優れています。

金利の差を比較してみる

 

次に外貨投資とFXでともに発生する「金利」を比較してみます。

日本円は現在金利0.1%という、ほぼ金利なしの状態が続いています。それに対して外国の通貨は日本円よりも金利が高いため、外貨を持っていると金利差が得られます。この金利に関しても外貨預金とFXではどのように変わるのかを考えてみます。

金利の受け取り期間が違う

まずは「外貨預金」と「FX」の金利を受け取れる期間を比較していきます。

そもそも外貨預金には通常の「外貨預金」と一定期間を決めて預ける「外貨定期預金」があり、外貨定期預金のほうが利率は高く設定されています。しかし外貨定期預金は期間内に円に戻すことはできないというデメリットがあります。

これと比較してFXではトレードする外貨の金利が円の金利より高ければ、その外貨を保有している間は毎日金利差益を受け取ることができます。ちなみにこの金利差益のことを「スワップポイント」といいます。

FXのスワップポイントは外貨預金の金利にはそれほど差はありません。金利の利率に差が見られない以上、満期という期間がある外貨預金の利息とスワップポイントのどちらが都合が良いかは言うまでもないですよね。

両者の利率を比較してみる

次に、外貨預金と比較するとFXはどれくらいのスワップ金利がもらえるのかをご紹介します。そこでまずはFXの世界でスワップ狙いのトレーダーに人気がある3種類の通貨ペアのスワップレートをまとめてみました。

通貨ペア 1日単位で貰えるスワップ
(1万通貨あたり)
米ドル/円 10円~20円
NZドル/円 25円~68円
豪ドル/円 15円~50円

この表では、1万通貨のトレードで1日あたりにもらえるスワップポイントを一覧にしています。例えば「豪ドル/円」の通貨ペアで、1万通貨あたり一日50円のスワップポイントが貰えるとします。

この「豪ドル/円」の通貨ペアを約1週間保有しているだけで、50円×7日=350円のスワップポイントが貰えます。1か月で1,550円、1年だと18,250円ものスワップポイントが貰えます。

ちなみに保有通貨数が2万通貨の場合、年間で受け取れる金利は先ほどの倍の36,500円になりますね。このようにFXで発生するスワップポイントは、取引金額やトレード期間に応じて大きく変わります。

次に外貨預金で「豪ドル」を買うケースを考えてみます。

「豪ドル」の金利が一番高いとされる「住信SBIネット銀行」で、1年間定期預金をした場合の利率は1.6%になります。同じ1万通貨、為替レートを1豪ドル=80円として計算すると、800000×1.6%=12,800円となります。

1年間で12,800円という利益が発生するのは嬉しいですが、「豪ドル/円」の通貨ペアで発生するスワップ金利と比較すると見劣りします。先ほど紹介しましたように「豪ドル/円」の通貨ペアを1年間保有して発生する利益額は18,250円です。

スワップポイントで発生する18,250円と外貨預金の12,800円を比較するとその差はだいたい1.5倍。金利による利回りの点においてもFXは外貨預金よりもはるかに優れていると言えるでしょう。

ここまでのまとめ

 

このコンテンツでは外貨預金とFXの相違点を比較してみました。一見するとそっくりの外貨預金とFXですが、両者をよく比較してみると意外と差が付くポイントが多いです。

そこでこのコンテンツの最後にここまで比較してきたポイントを今一度振り返ってみます

  1. 外貨預金は外貨を買うだけ
  2. FXにはレバレッジがある
  3. 外貨預金と比較してFXの手数料が安い
  4. 金利差で比較してもFXのほうがお得

今回紹介した内容をふまえると、やはり外貨預金よりFXのほうが外貨の運用には適していると言えますね。外貨預金かFXのどっちで投資をしようか迷っている方は、FXに取り組むことをおすすめします。