FXについての必須基礎知識

FXはボラティリティをつかめば勝てる!

ボラティリティ

意識すればFXで勝てる?ボラティリティとは

ボラティリティをつかめFXで「ボラティリティ」って言われて、何のことかわかりますか?

ボラティリティとはFXで取引をしていくうえでとても重要なものです。
ボラティリティを意識して取引をすれば、大きな利益を掴むチャンスにもつながります。

FXで勝ちたい!と思っているならば、ボラティリティについてしっかりと理解しておきましょう。

FXの「ボラティリティ」って何?

ボラティリティとは?

ボラとはボラティリティ(volatility)というFX用語の略で、「ある資産の価格変動の激しさを表すパラメーター」です。

FXに限らず株などでもボラティリティはありますが、FXにおけるボラティリティとは為替レートの変動幅の激しさを意味し、「大きい、小さい」「高い、低い」または「ある、ない」などの言葉で表現されます。

FXのレンジ相場の時、ボラティリティは「小さい」「低い」と言われ、逆に急騰する上昇トレンドなどの時には「大きい」「高い」と言われます。

ボラティリティの大きさは為替レートの変動幅と連動するのが特徴で、世界の経済状況が大きく影響を及ぼします

例えば、世界中で話題になるような事件が起きた時や、アメリカ労働省の雇用統計やFOMC(連邦公開市場委員会)の金利発表など、影響力のある経済指標が発表される時にFXではボラティリティが大きくなります。

ボラティリティの大きさとリスクの関係

なぜ、ボラティリティがFXで重要な指標なのでしょうか?

それは、トレードの方向性さえ見極められれば、ボラティリティの大きさはFXでの利益の大きさにつながるからです。

ボラティリティが大きいときは、為替レートが大きく変動しているということ。値動きが激しくトレンドに乗って取引ができれば大きな利益が得られます。

一方、トレンドを見極められなければ大損する可能性もあるハイリスク・ハイリターンな状態なのです。

逆にボラティリティが小さいときは、値動きが穏やかでローリスク・ローリターンの取引になるといえます。

短期間の取引では大きな利益は得られませんが、スワップポイント目当てなど長期の取引がしやすくなります。

このように、FXではボラティリティの大きさが損益の大きさと直結しています。

FX初心者であれば、ボラティリティの小さい時間帯や通貨を選んで取引をするのが得策です。

時間帯と通貨によって大きさが変わる

時間帯と通貨によって大きさが変わる

ここまででボラティリティがFXで重要な指標であることはわかっていただけたでしょうか?

値動きの幅がさまざまであるように、時間帯や取引通貨によってボラティリティの大きさは変わってきます。

ここからはFXのチャートで「いつ」「どの通貨で」ボラティリティが大きくなるかを見ていきます。

時間帯によって違う

FXの取引が活発であればあるほど、当然為替レートは変動しやすくなります。

では活発な時間がいつになるかということですが、FXの取引時間のうちで最も取引が活発になるのは2大FX市場であるロンドン市場(16時~2時)とニューヨーク市場(21時~6時)が開いているときとなります。

日本時間で言うと22時~5時くらいが活発にトレードが行われる時間で、ボラティリティは大きくなります。

一方、オセアニアやアジアのFX市場が開いている時間、つまり日本の昼間の時間帯は比較的取引量が少なく、ボラティリティが小さくなっています。

その分値動き幅が小さいので、この時間帯のほうがFX初心者が取引するのには最適な時間帯となります。

ただし、世界中を震撼させるような大きな事件や災害などが起きた場合は、どのFX市場が開いている時間帯でもボラティリティは大きくなります。

ボラティリティが大きい通貨、小さい通貨

FXでは、取引する通貨によってもボラティリティの大きさに違いがあります。

ボラティリティの小さい通貨ペア

ボラティリティが小さく安定していて、FX初心者におすすめの通貨ペアはドル円です。

世界の基軸通貨と、世界で2番目に流通量の多い通貨のペアなので動きが穏やかでリスクが低く扱いやすいのが特徴です。

同じくボラティリティ小さいのはユーロ米ドルです。世界一の取引量を誇り、動きも安定している通貨ペアです。

ボラティリティの大きい通貨

ボラティリティが大きいことで有名なのがポンドです。世界で4番目に流通量が多いとはいえ3番目の日本円と比べると少なく、加えて投機的売買のターゲットにされているためとても値動きが激しいです。

そのボラティリティの大きさゆえにFXの世界では「殺人通貨」の異名も持つほどです。

また、ポンド以外では豪ドルも比較的ボラティリティが大きい通貨です。

そのほか南アフリカランドやトルコリラメキシコペソなどのマイナー通貨は、スワップポイント目的のトレードで人気がありますが、流通量自体が少なく安定していないためボラティリティが大きくなっています。

このようにボラティリティの大きい通貨はFX初心者が扱うと大損する可能性が高いため、手を出さないのが無難です。

自分で簡単に計算できる

FXのチャートを見て、レンジ相場ならボラティリティが小さい、トレンドがあればボラティリティは大きいなど、大小の区別はついても、実際にボラティリティがどれくらいの大きさなのかはすぐには分かりません。

そこでExcelを使って簡単にFXのボラを出す方法をご紹介します。

FXのボラティリティというのは、日足、5分足、4時間足などの区切りごとの終値をその1つ前の終値と比べたものの標準偏差です。

と言ってもわかりにくいと思うので、実際にExcelを使ってFXのボラを計算してみましょう。

エクセルで簡単計算!

まずは、FXチャートの前日終値のデータをYahoo!ファイナンスやFXStreetなどでダウンロードしましょう。

終値のデータを入力したら、前日比を計算します。
終値の右のセルに、ある日の終値÷前日の終値を入力していきます。

FXのボラティリティは前の足の終値との比の標準偏差だと書きましたが、その通りに、標準偏差(=ボラティリティ)を求めていきます。

=STDEV(〇〇:〇〇)
を結果を出力したいセルに入力すればボラティリティが算出されます。

これは1日のボラティリティですが、年換算も可能です。
1年間でFX市場が開いている日を統計学ではおおよそ250日とし、その平方根で1日当たりのボラティリティを割ります。

=STDEV(〇〇:〇〇)*SQRT(250)
を入力して出てきた数字が、年換算のボラティリティです。

FXのトレードをするうえで、ボラティリティの把握は必須と言えるため、簡単にでも計算方法を覚えておくといいでしょう。

ボラを見極めるためのFXインジケーター

インジケーターについて

今しがたボラティリティの計算の仕方を紹介しましたが、正直こんなことを何回もやるのって面倒ですよね。

これでは短期間の取引の場合だとボラティリティを計算しているうちにトレンドが終わってしまいそうです。

そこで使うのがインジケーターと呼ばれるものです。このインジケーターを使うことで、FXのチャート上にて一瞬でボラティリティを把握できます。

ここでは、FXで有名な3つのインジケーターとそれを用いたトレードについて紹介していきます。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは、アメリカのジョン=ボリンジャー氏が考案した「ボラティリティを一定期間の価格データより想定したのち、統計学的観点から価格変動範囲を予測してチャート上に表示するFXのテクニカル指標」のことです。

これは移動平均線を中心として、帯状ラインでの価格変動幅の確率を表します。

この帯状のラインは内側からそれぞれ1σ、2σ、3σ…と呼ばれ、

1σ:68.3%
2σ:95.4%
3σ:99.7%

という確率でそれぞれの帯の内側に値幅が収まります。

図の白く囲った部分のように、バンドの幅が狭まった(スクイーズ)あと、広まっていく(エクスパンド)時にトレンドが出来るので、これを狙って順張りでエントリーする手法となります。

このボリンジャーバンドを用いることでボラティリティがすぐ把握できるため、短期トレードでも利食いのタイミングを決めやすくなります。

ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)

ATRとは、J.W.ワイルダー氏が考案したテクニカル分析の指標で、ボラティリティからFX相場の過熱感を示すものです。日本ではあまり知られていませんが、海外のFXトレーダーには好んで使う人が多いようです。

ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)とは「真の値幅の平均」のことで、FXのチャート上のあるローソク足と1本前のローソク足の間に「窓」が開いたとき、「窓」も含めた値幅を真の値幅とする、という考え方です。

言葉だとわかりにくいので下の図を参考にしてみてください。


この結果ATRが上昇したときにトレンドが発生し、下がるとトレンドが終了・転換したと考えます。

トレンドが発生しているとボラティリティが大きくなっていて、逆に終了したならボラティリティが小さくなっていることが分かります。

ADX/DMI

ADX、DMIはセットで使われることの多いテクニカル指標で、これもJ.W.ワイルダー氏が考案した、FXでは歴史のある指標です。

ADXはトレンドの強さやトレンドの始まり・終わりを表し、トレンドの買い・売りに関係なく、ADXが上昇したらトレンドが発生、下降したら終了となります。

つまりADXが上昇したらボラティリティが大きく、低下したらボラティリティが小さくなるのです。

DMIは+DIと-DIの2本の線からなるトレンドの方向とボラティリティの大きさの指標です。

+DIと-DIの2本の線がクロスした後、

+DIが上なら買いトレンド
-DIが上なら売りトレンド

となります。

また、トレンド中に±DIの上になっている線が25を超えるとそのトレンドは強いといわれています。

ADXとDMIを組み合わせて、DMIがクロスした時点でエントリーし、ADXが下降もしくはDMIがもう一度クロスした時点で決済するといった手法がとられます。

ボラティリティを公開しているサイト

FXのチャート上ではなく、同時間帯の色々な通貨ペアのボラティリティを比較できるFX関連サイトや、各時間足・通貨ペアごとのボラティリティ表が作られ、ランキングとなっているものもあります。

ボラティリティの計算方法はここまで紹介してきましたが、そのようなFXのボラティリティを公開しているサイトで見るほうが手間を省けるかもしれません。

FXのトレードを始めてしばらくはボラティリティの小さい通貨ペアでの取引がおすすめですが、慣れてきたらこのようなサイトでボラティリティの大きさを比較し、ボラティリティの大きい通貨ペアにチャレンジしてみるのもいいでしょう。

まとめ

最後に、今回のおさらいをしていきましょう。

  • ボラティリティとはFXでは為替レートの値動きの激しさを表す。
  • ボラティリティが大きいと値動きが激しく、ハイリスク・ハイリターンとなる。
  • ボラティリティは2大FX市場(ロンドン・ニューヨーク)が開いている時間帯が大きく、日本で昼間の時間帯は小さい。
  • 流通量の多い通貨はボラティリティが小さく、ポンドやマイナー通貨は流通量が少ないためボラティリティが大きい。
  • ボラティリティはエクセルで簡単に計算もでき、FXのチャート上にインジケーターを表示すれば一目でわかる。

ボラティリティは、FXの取引をしていくうえで必ずと言っていいほど意識することになる指標です。

利益に関わる大事な要素ですので、大きさや特徴をしっかりとらえて取引をしましょう!