通貨ペアはFXを始める上での前菜
FXでトレードを行うにあたり通貨ペア選びは避けて通れません。
FXの通貨ペアにはそれぞれ特徴があり、トレードを行う上で重要な役割を担っています。
例えるならコース料理の前菜のようなモノです。前菜は、メインディッシュをおいしく食べることができるようにする役割がありますね。
FXのメインディッシュ(目的)はお金を稼ぐことです。つまり、自分に合った通貨ペアを選べば、FXのおいしい部分(お金を稼ぐこと)を堪能することができるわけです。
今回は、FXにおける通貨ペアごとの特徴やFX初心者におすすめの通貨ペアを紹介していきます。
稼ぎたいならポンド/ドルに絞ること
本題に入る前にまず、知っておかなければいけないことがあります。それはFXの各市場が開いている時間帯。世界の主要な為替市場と取引時間を以下の表にまとめました。
為替市場 | 日本時間 |
---|---|
オセアニア市場(ニュージーランド・オーストラリア) | 5時~14時 |
東京市場(日本・香港・シンガポール) | 9時~19時 |
欧州市場(ドイツ・フランス・スイス・イギリス) | 17時~3時 |
ニューヨーク市場(アメリカ・カナダ) | 22時~7時 |
これを見てもらったところで、早速本題に入っていきます。
特徴を掴めば稼げる?動きが激しい通貨
ではここからFXで稼げる通貨ペアについて解説していきます。
この記事の中で紹介するFXで稼げる通貨ペアは”ポンド(GBP)/米ドル(USD)“のペアです。
ポンド/米ドルは取引量も多い通貨ペアなのですが、このポンドが関わる通貨ペアは基本的に値動きが激しいことで有名です。
これは大きな利益が見込めると同時に損失も大きくなるということであり、そのためにポンドは投機的通貨や殺人通貨と呼ばれてきました。
そのため、初心者FXトレーダーが初めに設定する通貨ペアとしてはおすすめできません。少しFXに慣れてから、ポンド/米ドルの通貨ペアに移行と良いでしょう。
初心者におすすめ
【リスクの少ない通貨ドル/円】
FXに慣れていくためには、安定した通貨ペアを設定することが良いでしょう。
なぜかというと、最初から値動きの予測が難しい通貨ペアで取引して大損してしまったら意味がないからです。
最初は、FXを知るという意味でも安定した通貨ペアから設定していきましょう。
取引が多くて安全
FXでの安定した通貨ペアというものは、取引が多い通貨ペアと言い換えることもできます。なぜなら取引量が多いと値動きの乱降下、急上昇が起こりにくいからです。
国際決済銀行(BIS)が2019年12月に発表したデータによると
最も取引量が多い通貨は”ユーロ/米ドル”で約158兆円(シェア24.0%)
次に取引量の多い通貨が”米ドル/円”で約87兆円(シェア13.2%)
です。
FX初心者の方はまずは、米ドル/円の通貨ペアから始めた方が良いでしょう。その理由としては、安定した通貨ペアを使ってFXをするのが良いというのはもちろんのこと、自国の情勢なら簡単に知ることができるからです。
例えば、東日本大震災のような大きな災害があった際、災害情報が入ってこなければ為替の急下落に気づくのが遅くなってしまいます。
しかし、自国の災害に関しては当然ニュースや騒ぎが起こるはずなのですぐに情報が入ってきます。為替の急下落は素早く対応しないと多大な損失となる可能性が高いですからね。
このように簡単に情報を手に入れることができるので、自国の通貨が入っている米ドル/円がおすすめと言える理由の1つなのです。
また、重要な経済指標が発表された後には大きく為替が動くのが特徴です。
ドル/円の通貨ペアの重要な経済指標はこちら
指標 | 発表時期 |
---|---|
FOMC議事録公表 | 政策決定日の3週間後 |
FOMC政策金利発表 | 年8回 |
雇用統計・失業率 | 毎月第1金曜 |
日銀金融政策決定会合 | 毎月1~2回 |
これらの経済指標が発表された後は相場の動きに注意しましょう。
FXのおすすめ通貨ペアの特徴と一覧
ここまで「ポンド/米ドル」と「米ドル/円」の2種類の通貨ペアについて説明しましたが、FXの通貨ペアはポンド/ドルとドル/円の他にもたくさんの通貨ペアがあります。
ここからは通貨ペアを取引量でランキングにして紹介していきます。
簡単に通貨ペアごとの特徴も解説していくので必見です。
通貨ペア取引量ランキングと特徴
◆取引量第1位 ユーロ/米ドル
2019年度取引量 158兆4000ドル
安全度 | ★★★☆☆ |
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値動き | ★★★★☆ |
利益 | ★★★☆☆ |
難易度 | ★★★☆☆ |
ユーロ/米ドルは値動きが非常に大きく1日に100pipsも動くことがあります。それもそのはず、取引量が第1位なので流動性も高いわけです。
また、ユーロ/米ドルという通貨ペアは、FXの基軸通貨でもありしっかりと国の情報を把握することができます。
では、その値動きが大きくなる時間帯はいつなのでしょうか?それは、ロンドン市場(16時~2時)とニューヨーク市場(21時~6時)が重なる時間帯、つまり日本時間における22時~深夜にかけての時間になります。
また、値動きが大きくなる日時としては、アメリカで毎月第1金曜に重要経済指標である、雇用・失業統計が発表されるタイミングが1番値動きの激しくなる時なので頭に入れておきましょう。
◆取引量第2位 米ドル/円
2019年度取引量 87兆1000ドル
安全度 | ★★★★★ |
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値動き | ★★☆☆☆ |
利益 | ★★☆☆☆ |
難易度 | ★★☆☆☆ |
米ドル/円の通貨ペアは国内FXトレーダーの8割近くが使っているものになります。
さらにドル/円の通貨ペアを使ってFXをしている人の半数以上が日本人と言われています。
そのため、米ドル/円の通貨ペアにおいて、国内FXトレーダーの動きは重要視されるものになります。
またFX市場の東京時間では、日経平均との連動性が高いものになっているため、日経平均が上がると米ドル/円の通貨ペアの為替も連動して上昇の傾向になることが多いということです。
とはいえ、米ドル/円の通貨ペアはポンドが絡む通貨ペアなどと比べて値動きが激しいものではありません。
そのためFX初心者向けの通貨ペアと言えます。
加えて、自国通貨の円が関係していることもあり、情報も入手しやすいこともFX初心者に向いている理由の1つです。
◆取引量第3位 ポンド/米ドル
2019年度取引量 63兆ドル
安全度 | ★☆☆☆☆ |
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値動き | ★★★★★ |
利益 | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
ポンド/米ドルは、前述のとおり値動きが激しい通貨ペアです。
取引量第1位のユーロ/ドルの通貨ペアも値動きが激しいと紹介しましたが、このポンド/米ドルはその上を行く値動きの激しさなのです。
しかし、この値動きの大きさを生かせば一回のトレードで大きな利益が得られる可能性があります。
そのため”稼ぐ通貨ペア“としてはおすすめの通貨ペアでもあります。
取引量が3位ということを考えれば、たくさんのFXトレーダーが大きな利益を狙っているのかもしれません。
通貨ペアの多くは自国の経済動向の影響を受けます。
ところが、ポンド/米ドルはユーロ圏の経済動向の影響も受けるのです。
これは、イギリスとユーロ圏の非常に密接な関係が原因で、ユーロ圏の景気が良くない状態だと、ユーロとともにポンドも売られる傾向にあります。
そのため、この通貨ペアを取り扱う場合にはユーロ圏の経済の動向も気にすることがポイントになります。
◆取引量第4位 豪ドル/米ドル
2019年度取引量 35兆9000ドル
安全度 | ★★★★☆ |
---|---|
値動き | ★★☆☆☆ |
利益 | ★★☆☆☆ |
難易度 | ★★★☆☆ |
この豪ドル/米ドルの通貨ペアの特徴は、オーストラリアという国を見るとよくわかります。
オーストラリアは世界有数の資源国で、石炭、原油、金、鉄鉱石などの資源を産出しています。
そのため、資源の相場価値の変動に価格が左右されるのです。
豪ドル/ドルの相場の傾向は、上昇・下降の期間が長く続く特徴がありますので、FXで豪ドル/米ドルの通貨ペアでトレードするときは、少し心のゆとりを持つ必要がありますね。
また、豪ドルは先進国の中では、唯一高金利であると認識されている通貨です。米ドルは低金利な通貨であるので、豪ドル/米ドルの通貨ペアは金利差を利用することができます。
つまり、スワップポイントを狙うことができるのです。
おさらい
【稼ぐならポンド/米ドル、安全は米ドル/円】
ここまでで紹介した通貨ペア別で重要なポイントをまとめたので見ていきましょう。
通貨ペア別重要ポイント
今まで見てきた4つの通貨ペアのポイントです。
- ユーロ/米ドルは雇用・失業統計の発表に注目
- 米ドル/円は自国通貨がからむため相場分析しやすい
- ポンド/米ドルは一回で稼げる反面リスクも大
- 豪ドル/米ドルは高金利が狙いどころ
このようになります。この4つの通貨ペアのポイントを頭に入れて、効率よくFXでトレードしていきましょう!