本当にチャートパターンが分かればFXで勝てるのか?
FXをするうえで重要なチャート分析には、いくつもの方法があります。
トレンド分析や、インジケーターを用いたテクニカル分析、ファンダメンタルズ…
今回はその中でも、ローソク足の値動きの形からエントリーポイントを探る「チャートパターン」について詳しく見ていきます。
チャートパターンを用いると、インジケーターなどはなくても、次にどこでエントリーや決済を行うべきかが一目でわかります。
今後ほかの手法でFXトレードを行うにしても、FX初心者が中級者になるためにチャートパターンでの分析は避けて通れません。
この手法をしっかりと理解して、より確実な判断をできるようになりましょう!
知っておきたい6種類の鉄板パターン
まずは、FXのチャートパターンの中でも鉄板と言える6種類をご紹介していきます。
このチャートパターンは、大きく2つに分類できます。
- ・転換型チャートパターン
- ・保ち合い型チャートパターン
の2つです。
それぞれ見ていきましょう。
転換型チャートパターン
「天井で売り、大底で買う」は、FXの極意。
とにかく安く買って高く売りたい、というのが全FXトレーダーの願いです。
転換型のパターンは、FXの極意である高値売り・安値買いのために、トレンドが切り替わる部分を見極めるものです。
ダブルトップ・ダブルボトム
ダブルトップ、ダブルボトムはFXで特によくあるチャートパターンです。
一度高値をつけ、安値で反転した後、その後の安値で前回の安値を下抜ける。
高値(トップ)が2つあるので、ダブルトップと言います。
反転する安値は、ネックラインといいます。
2度目の高値が1つ目の高値より低かった時、その後ネックラインを下抜けたタイミングがエントリーポイントです。
ダブルボトムは反対に、2つの安値の間の高値をその後上抜け、そのまま上昇トレンドに転換します。
ダブルトップ、ダブルボトムが完成すると、確かなトレンド転換のシグナルとなります。
トリプルトップ、トリプルボトム、ヘッドアンドショルダー
トリプルトップ、トリプルボトムは、ダブルトップ、ダブルボトムのそれぞれ高値・安値が1つ増えたものす。
トリプルトップの中でも、真ん中の高値が3つの高値の中で最も高いチャートパターンがあります。
これは、形が人間の頭と肩に見えることから、ヘッドアンドショルダーと呼ばれています。
トリプルトップでは、2つの安値を結んだ直線がネックラインとなります。
ダブルトップ同様、ネックラインを下抜けたタイミングでエントリー。
ヘッドアンドショルダーは、真ん中の高値からネックラインまでの値幅の分下がると言われています。
そのため、ネックラインを抜けた後、その値幅を目安に利益確定をしましょう。
FXの中でも特に確実性が高いチャートパターンなので、ぜひ覚えておきましょう。
ソーサートップ、ソーサーボトム
名前の通りソーサー(お皿)のような形をしており、じわじわとトレンド転換をするのが特徴です。
FXの相場ではあまり見かけることは少なく、チャートパターン単体でエントリーや決済を見極めるのは難しいでしょう。
ソーサートップは、上がった後に高値圏でレンジ相場を作り、そこから下がっていきます。
レンジ相場の中でトレンドが転換するので、インジケーターなどを参考にしてポイントを見極めましょう。
保ち合い型チャートパターン
続いては、保ち合い型(レンジ型)のチャートパターンです。
名前通り保ち合い相場に現れるチャートパターンで、FXでは日中のドル円などで見受けられます。
三角保ち合い
ローソク足が徐々に三角形に収束していくチャートパターンで、トライアングルとも呼ばれます。
収束した後は、上下どちらかに大きく値動きすることが多くなっています。
三角保ち合いにも、
- ・高値が一定で、安値が徐々に切り上げるタイプ
- ・安値が一定で、高値が徐々に切り下げるタイプ
- ・高値安値が均等に狭まるタイプ
の3種類があります。
保ち合いは、入る前のトレンドからどちらに動くかを判断します。
上昇トレンド中に三角保ち合いになった場合は、高値のレジスタンスラインを突破するとそのまま大幅に値上がりする可能性が高くなります。
しかし、FXでは一度ブレイクしたあとに相場が戻るダマシの可能性があるので、注意が必要です。
フラッグ
三角保ち合いは三角形でのレンジ相場でしたが、フラッグは四角形のレンジ相場になります。
このチャートパターンで注意すべきは、一見して考えるトレンドと逆方向にブレイクするということです。
具体的には、以下の図のようになります。

上昇トレンドの時は右肩下がりのフラッグができ、高値安値がどちらも切り下がります。
しかし、安値のレジスタンスラインを割ることなく、結局上抜けして、そのまま値上がりします。
逆に、下降トレンドのフラッグ型チャートパターンは、右肩上がりの形となります。
ウェッジ
ウェッジは、FXのトレンドの終盤やトレンド途中の戻し・押し目に現れるチャートパターンです。
- ・上昇トレンドの終盤に上昇ウェッジがでた場合には反転
- ・下降トレンド中に戻しで上昇ウェッジができればトレンド継続
下降ウェッジについても、同じことが言えます。
ただし、三角保ち合いのようにダマシになる可能性もあるので、充分気を付けたほうがいいでしょう。
保ち合い型のチャートパターン3つのうちでは、フラッグが最も安全で確実です。
FX初心者でまだ自信がないうちは、下手にウェッジや三角保ち合いに手を出さず、フラッグで安全に利益を得ましょう。
チャートパターンを活用したトレード手法
さて、FXで鉄板のチャートパターン6種類を紹介してきました。
続いて、このチャートパターンを実際のFXトレードに活かしてみましょう。
前項で紹介した6種類のチャートパターンのうち、管理人のおすすめは「三角保ち合い」です。
三角保ち合いは、値動きの幅が小さくなり、レジサポラインを結ぶと三角形ができあがるチャートパターン。
値幅が小さくなるということはFXトレーダーが迷っているサインです。
そして、三角保ち合いは抜けた方向にさらに大きく伸びる可能性が高いのが特徴。
このチャートパターンがFXの相場上に形成されたら、大きな利益を得るチャンスです。
エントリーのタイミングは?
前章でもお話ししましたが、三角保ち合いでは、その形とブレイクの方向は関係ありません。
保ち合いに入る前のトレンド方向が重要なのです。
この図のように、上昇トレンドの中の戻し目で値幅が狭まってくいくと、三角保ち合いが形成されます。
そして、値幅がかなり小さくなってきたところで、上に大きくブレイクしています。
エントリーのタイミングは、このブレイク後となります。
エントリーのタイミングは3つあり、
- 1.ブレイクした瞬間
- 2.ダマシで一度もどった後
- 3.ブレイクから一定値幅伸びた後
です。
三角保ち合いのようなチャートパターンでは、だましが多く存在します。
特にボラティリティの少ない時間はダマシが起きやすく、2や3のタイミングでエントリーするのが賢明でしょう。
どのエントリーのタイミングが1番いいか、という答えはありません。
相場の状況によって臨機応変にタイミングを見極めましょう。
FXで活用するには?
ここまで、6種類のチャートパターンと、特におすすめの三角保ち合いでのトレード手法についてご紹介しました。
チャートパターンは、FXトレードをするうえで基本中の基本。
もし今後トレードに使わないとしても、知っておかなくてはいけません。
それは、チャートパターンを分析し、出現傾向を知ることでFXの「相場分析力」が身につくからです。
なぜチャートパターンは有効?
チャートパターンというのは、完成してから全体像がわかるもの。
実際にトレードしているときに「あ、これ〇〇ってチャートパターンだ」と思うことは、かなり少ないのです。
ではなぜ、チャートパターンは機能するのでしょう?
理由は簡単で、相場というのはFXトレーダーの心理そのものだからです。
FX市場では、投資家は常に「新規注文」と「決済」を繰り返しています。
「利益を大きく、損失を少なく」しようとする投資家たちの思惑で市場は動きます。
たとえば、三角保ち合いから上にブレイクしたとき。
この時、新規の買い注文だけでなく、売りポジションを持っていたFXトレーダーたちが損切で決済注文を出します。
売り注文の決済注文は買い注文と同義。
つまり、「買い」の力が増えていきます。
そのため、保ち合いのチャートパターンからブレイクすると、力が増して大きく伸びるのです。
このように、FXトレーダーたちの集団心理から、相場はでき、チャートパターンは有効になるのです。
なぜそのチャートパターンが成り立つのか?という深い部分をしっかりと理解することで、より利益へと近づけます。
チャートパターンをFXで活用するには?
完成前のチャートパターンは、もちろん全体像が分かりません。
そのため、FXでチャートパターンを使ってトレードをする場合には、パターン完成前にエントリー・決済のポイントを見定めておく必要があります。
そのためには、
- ・どういう相場でチャートパターンが現れたか
- ・その後どう値動きしたか
- ・出現頻度はどれくらいか
といった点を理解しなくてはいけません。
これらのことを過去のチャートやデモトレードなどで検証してみましょう。
過去のチャートを検証し、日常的に相場を分析することで、実際にFXトレードをするときにも相場の動きを予測しやすくなります。
相場を理解し、チャートパターンを見極める力がついたときには、FXで安定的に利益を得られるようになるでしょう。