ダウ理論でFXの攻略手法を考える

FXの取引をいざしてみようとなった時に、初心者の方はいつエントリーすればいいか分からない人が多いのではないでしょうか。大きなトレンドができれば、比較的FXでは利益が出やすいですが、エントリーのタイミングを間違えればFXで損を被ることになります。
では、FXでエントリーのタイミングを知ることができるいい方法があるのでしょうか。株式や、FXで儲けることができている投資のプロは難しい手法やインジケーターを使ってエントリーのタイミングを見極めているのでしょうか。
そのような投資家もいるかもしれませんが、まずFXを始めるにあたって知っておきたい理論はダウ理論というものです。
「ダウ理論ってどういう理論?」
「ダウ理論は曖昧にしか分からない・・」
と考える人も多いのではないでしょうか。今回はそのような人に向けて、FXで重要な理論であるダウ理論について詳しく説明していきます。また、そのダウ理論を用いたFXの手法も紹介しますから、初心者だけでなく多くのFXトレーダーに役立つこと間違いなしです。
FXで重要なダウ理論の意味とは?
ダウ理論とは何かという事について説明していきます。
ダウ理論とは、アメリカのチャールズ・ダウが提唱した市場の値動きを予測するための理論のことです。
ダウ理論は6つからなる
このダウ理論は以下の6つの基本法則から成り立っています。
- 平均はすべての事象を織り込む
- トレンドの種類は3つ
- メジャーなトレンドは3段階
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
5にある出来高というのは、株式や先物などで一定期間にされた取引の量を示すものですから、FXに応用するのは難しいです。
その中で特に重要な4つ
ダウ理論のなかでFXで取引をする時に重要になるのは限られていて、
- 平均はすべての事象を織り込む
- トレンドの種類は3つ
- メジャーなトレンドは3段階
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
の4つです。
これだけを紹介しても、取引に役立ちません。ダウ理論をFXのトレードに応用できようダウ理論の重要な基本法則を1つずつ解説していきます。
ローソク足が優れる理由。チャートはすべてを織り込む
ダウ理論の基本法則その1の「平均はすべての事象を織り込む」という言葉、少し意味が分かりにくいですよね。どういう意味なのか分かりやすく噛み砕いてみましょう。
平均はすべての事象を織り込む、の意味
一見とても分かりにくい言葉ですが、よくよく考えてみると意外と簡単な言葉。
事象というのは出来事や物事のこと。反対から考えると「世界中で起きているすべての出来事をひっくるめて一つの数値にしたものが平均ですよ」と言っているわけですね。
平均というのはここではチャートのことを言っています。
つまり、チャートが表している為替レート(の推移)というのはこの世で起きているすべての出来事や物事がそっくりそのままここに表れていますよ、という意味になります。
そりゃそうだろ(笑)と思われそうですが、真理とは単純なもの。ダウ理論はわざわざこの当たり前のことを言っていますね。このダウ理論の基本法則その1の裏にあるものは・・・
チャートを見れば世界で何が起きているか分かる得る、この世のすべてのことはチャートに表れている、ということ。もう少し言うと・・・
どんな噂や出来事が起きようと、チャートこそが真実、チャート以外を信じても価値がないということになります。
ダウ理論でこのように語られる平均(=チャート)ですが、同じ平均でも一目で色んな情報が見て取れる優れたチャートがあります。それがローソクチャート。
ローソク足が優れている理由
ローソク足は江戸時代に本間宗久が発明したもの。FXをはじめ、長らく多くの投資で参考されてきたチャート(=平均)です。
ローソク足が最も優れている理由は、一度に始値、終値、高値、安値が見られてしまうこと。さらに、陰線、陽線によって今どのようなトレンドができているのかが分かります。
ダウ理論ではこの世の出来事はすべてチャートに表れると言っているわけですが、そういう意味ではローソクチャートはとにかく取引がどのように行われてきたが特に簡単かつ詳しく見られます。
現在、ローソク足はダウ理論を体現する指標として世界中のFXトレーダーに重宝される最も優れたチャートです。
チャートで取引がどのように行われてきたかは理解できますが、さて、もう少し視野を長い期間に広げてみましょう。ここには為替レートの値動きにトレンドという概念が存在します。
ダウ理論ではこのFXのトレンドのことについてもしっかり言及していますね。
トレンドの種類は3つ。主要トレンドは3段階

これからダウ理論の中でもトレンドについての話をします。
ダウ理論におけるトレンドの話をする前に、ダウ理論のトレンドをより分かりやすく説明するために、少しFX相場の話をしましょう。
FXの相場には3つの状態がある
FXの相場には、上昇トレンド、下降トレンド、レンジの3つの状態があります。
上昇と下降のどちらもトレンドと言いますが、トレンドが発生している状態はFXの相場の中で3割、レンジが7割と言われます。
このトレンド状態こそ、FXトレーダーが利益が出しやすい相場と言われています。
ダウ理論に話を戻します。ダウ理論ではこのFXトレーダーが利益を出すいやすいとするトレンドの種類について、3種類が言及されています。
ダウ理論で言及されるトレンド(サイクル)は3種類
ダウ理論では市場のトレンド期間を・・・
- ・主要トレンド : 1年~数年
- ・2次トレンド : 3週間~3か月
- ・小トレンド : 3週間未満
の3つに分類されていると言っています。ただし、2次トレンドが終わった次は主要トレンドが来るなどのようにそれぞれのトレンドが独立しているわけではありません。主要トレンドの中に、わずかに小トレンドが存在しているなど組み合わさってトレンドを形成しています。
ですから、FXで取引をする際にこの上昇相場は1年以上続いているから主要トレンドが作られている。だからまだトレンドが続きそうだ。というようにいつFXでポジションを仕舞うかという基準になります。
主要トレンドは3段階から構成されている
長い期間のスイングに向いた主要トレンドですが、
- 先行期
- 追随期
- 利食い期
の3段階から構成されています。FXで利益を出す取引をするために、下降トレンドから上昇トレンドになる仮定で深く解説していきます。
先行期
多くの悪い材料が出尽くしたと判断した一部の投資家が買いで逆張りをし始める時期。この時期はまだ上昇せず底値で、エントリーは難しい、FXにおいて待つというのも戦略の1つですから、ここでは何もせずチャンスを待つというのがベストです。
追随期
相場の価格上昇をみて、多くのFXトレーダーが買いを入れ始めます。トレンドができ始めますから、ここで買いに入りたいところです。
利食い期
為替レートが十分に上昇したのをみて、先行期にエントリーしたFXトレーダーがポジションを整理する時期。この時期は為替レートの上昇幅が小さかったり、レートが下がり始めたりするので、この時期もエントリーをしても大きな利益は狙いづらい。
ここまでダウ理論を見ていただくと分かりますが、FXで大きな利益を得るためには主要トレンドの追随期にエントリーすることが必要になります。
ではこの、どうすれば追随期にエントリーをすることができるのでしょうか。その基準を教えてくれるのがダウ理論の最後の基本法則です。
トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

ダウ理論の中に、トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続するというのがあります。つまり、現在相場で発生しているトレンドは転換シグナルが現れない限り継続するという事です。ダウ理論と言えばこれだと紹介しているFXの書籍やブログがたくさんありますよね。
ダウ理論の中のこの基本法則を説明する前にFXの上昇トレンドと下降トレンドについて簡単に解説します。
上昇トレンドとは、高値と安値が徐々に切り上がっている状態のこと。下降トレンドとは、高値と安値が徐々に切り下がっている状態のこと。転換シグナルがなく、この状態が続く限りトレンドは続くという事になります。
これでトレンドについて分かった人も多いのではないでしょうか。FXでトレンドを見極めるのは利益を出すうえで重要になりますから、覚えておくとトレードに役立ちます。ではトレンドが分かったところで、転換シグナルについて見ていきます。
転換シグナルとは、上昇トレンドの場合レートが前回の高値に届かず、安値に割り込むことです。下降トレンドの場合は前回の安値に届かず、高値に割り込むことです。
これらの事から、FXでトレードをする際はトレンドフォローという目線で、転換トレンドが出たら様子を見るためにポジションを閉じる。この取引方法がFXにおいて基本的な手法と言えます。
しかし、これだけは少し物足りないと感じてしまう人も多いのではないでしょうか。このような方達のために、ダウ理論を使ったFXの実践的な手法を紹介します。
実践での使い方。エントリー手法を紹介
最後に紹介したトレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続するという事をさらに応用していきます。
トレンドラインなどのラインを意識したエントリー
これは、ダウ理論を使った基本的なFXの手法ですが、非常に有効です。この手法はレンジ相場で非常に有効です。

画像のような100円、110円を範囲にしたレンジ相場の時はダウ理論が有効に使えます。この例ならば、1ドル=100円の時に買いでエントリーするか、1ドル=110円の時に売りでエントリーします。
また、買いでエントリーした場合、1ドル=99円になった場合は転換シグナルが発生したと見ることができますから、損切りの基準ラインになります。このようにダウ理論を使えば、FX初心者の方でもエントリーするタイミングが分かりますよね。これは、基本的な手法ですが多くのFXトレーダーが取引する際基準にするので、軽視してはいけません。
さらに、これはトレンド相場のときも有効に使える手法です。
トレンド相場はエントリーポイントが難しく、エントリーしたころにはトレンドが終わっていた。という苦い経験をしたFXトレーダーも少なくないかもしれません。しかし、ダウ理論をさらに応用すればそのようなケースも格段に減ります。
明確なトレンドができている場合は以下のようになります。

ここで注目してほしいことは、トレンドができてるとは言っても常に一方向にのみ動いているというわけではないことです。よく見てみると分かる事ですが、トレンドができている中で小さなレンジ相場ができています。
このことから、FXで常にレートが上がっているときはいつ下がるのか分からないためエントリーしないのがベストです。しかし、トレンドができて、少しレンジができた後、またトレンドができるというパターンの場合はエントリーしやすいですよね。
①の画像で言えば、ダウン相場の後にレンジ相場を形成していますから、1ドル=110円の時に売りでエントリーします。そうすれば損切りポイントもわかりやすいですし、早い段階からトレンドの波に乗ることができます。初歩的なFXの手法ですが、このような相場が来ることは少ないので待つという事が必要になります。ぜひ、このダウ理論を使ったエントリー手法を使って自分の手法に適しているか検証するとFX攻略法が見えてくるかもしれません。
FXでダウ理論を応用することに関してまとめ
では最後に、今回紹介したダウ理論に関して簡単にまとめます。
- ダウ理論は6つの基本法則から構成されている。
- FXの取引をする際覚えておきたい重要なのはその中の4つ。
- トレンドと転換シグナルを見極めることがFXでは最大の武器になる。
このダウ理論はFXでかなり有効に使えるという事が分かっていただけたのではないでしょうか。ダウ理論は初歩的な理論ですが、FXで億を稼いでいる敏腕トレーダーもこの理論を参考にしています。
FXを始めた理由は人それぞれだと思います。FXで稼ぎたい額も様々だと思いますが、利益を出したいのであればまずダウ理論をしっかり理解することが重要だと断言できます。