FXトレード手法

ブレイクアウト手法「FX」

ブレイクアウト手法について

FXの定番・ブレイクアウト手法を解説

ブレイクアウト手法についてFXのトレードを始めてみたけれど、どんな手法を使って取引をしたらいいか分からない・・・。そんなことはありませんか?

トレードの方法は1人1人異なるため、これといった正解というものはありません。そのため分からない人が多いのも当然です。

そこで今回は、数あるFXのトレード手法の中でもベテラン・初心者に関係なく利用している人の多い手法の1つである“ブレイクアウト手法”を紹介していきたいと思います。このブレイクアウト手法はとても基本的な手法なので、是非習得して勝率アップを目指しましょう。

そもそもFXでブレイクって何?

FXのブレイクアウト手法、と突然言われても、何のことやらって思いますよね。FXのチャートの中には、「ブレイク」と呼ばれる点があります。

ブレイクアウト手法は、このFXのチャートのブレイクポイントを利用して取引をする手法なのです。

ブレイクの意味

FXのチャートには為替レートが上げ下げの方向を変える点をつなげた線があります。高値で何度も値段が止められているあたりに引ける線をレジスタンスライン(上値抵抗線)、逆に安値で止まっているところに引ける線をサポートライン(下値支持線)と言います。

レジスタンスラインとサポートライン

このレジスタンスラインやサポートラインをチャートが突き破ることをFXにおいてはブレイクと言い、このブレイクする点のことを「ブレイクポイント」と言います。

一言でいうと、ブレイクとは過去の安値や高値、もしくは数字的な節目で形成される抵抗となるような線を突破し、高値または安値を更新することを指します。

ブレイクポイント

また

  • レジスタンスラインやサポートラインを上に抜けたときを「ブレイクアウト」
  •  レジスタンスラインやサポートラインを下に抜けたときを「ブレイクダウン」

と呼んでいます。

FXではブレイクが起きるまでのレンジ相場(一定の価格帯で行き来する相場のこと)が長ければ長いほど、ブレイク後の値動き幅が大きくなるとされています。レジスタンスラインやサポートラインは多くのトレーダーが常に意識しているポイントですので、ブレイクアウトやブレイクダウンがどこで発生しそうかどうかを見極めることが勝敗の分かれ目になるとも言われています。

ブレイクの型

FXにおいてブレイクが起きる場合、直前のレンジ相場は大体以下に紹介する4つの形に集約されます。もちろんその形通りになることはほとんどありませんが、ブレイクポイントを見極めるための目安として紹介していきます。

典型的なレンジブレイク

同じ高値と安値の幅の間を何回も反発し、その後一気に基準線を抜けてブレイクするオーソドックスなFXチャートの形。 上にも下にも抜ける可能性があります。
レンジブレイク

安値切り上げ型

売り圧力が徐々に弱まる中、なかなか抜けきれなかったそれまでのレジスタンスラインを破り、高値更新ブレイクが狙えるFXチャートの形。上昇トレンドが出ているときに形成されやすくなります。
安値切り上げ型

高値切り下げ型

安値切り上げ型の逆の形。買い圧力が徐々に弱まる中、サポートラインを割り込み、安値の更新が見込まれるFXチャートの形です。
高値切り下げ型

三角持ち合い型

三角持ち合い型

高値も安値も更新できずに収束していくFXチャートの形。この三角持ち合いが発生すると株価が大きく動くことが見込まれますが、ブレイクアウトする可能性もブレイクダウンする可能性もあるのでエントリーする時には注意が必要です。レンジ中に形成されやすくなります。

レンジ相場を抜けた瞬間が狙い目

ブレイクアウトの狙い目

さて、それでは今説明したブレイクを利用したFXのトレード手法について説明していきましょう。

ブレイクアウト手法とは

ブレイクを利用したFXのトレード方法であるブレイク手法は古くからある非常に一般的な方法で、節目となっているレジスタンスライン・サポートラインを突破し、FXのチャートが大きく値動きするタイミングでエントリーするトレード手法です。

FXのレンジ相場の中で何度も反発しあった後、ブレイクが起きると大きく値動きすることはすでに説明をしました。FXのブレイクアウト手法では、このブレイクした瞬間を狙ってエントリーし、そのあとの値動きによって利益を得ることが目的になります。

つまり、上方にブレイクアウトする傾向が見えれば、ブレイク後の値上がりを見込んで買いポジションを、下方にブレイクダウンする傾向が見えれば値下がりを見込んで売りポジションを持つ、という流れになります。

押し目買いとの違い

 

ブレイクアウトと押し目買い

FXチャートのトレンドを見てエントリーするという点で、ブレイクアウト手法と似ているトレード方法が「押し目買い・戻り売り」です。

ブレイクアウトの狙い目は、高値と安値

押し目買い:株価が上昇トレンドに転じている局面で一時的に値下がりしたタイミングを狙って買い注文を入れる手法
戻り売り:とは、株価が下降トレンドに転じている局面で一時的に値上がりしたタイミングを狙って売り注文を入れる手法

押し目買いとブレイクアウト手法の違いは、狙い目がFXチャートの山か谷か、というところでしょう。

押し目買いでは買いポジションを持つときに、上昇トレンドの中にできるFXチャートの谷の部分、つまり一時的に値段が下がった部分で買い注文を入れます。

一方、ブレイクアウト手法ではいくつもできるFXチャートの山のうち、前の山の高値を更新したところで買い注文を入れます。逆に売るときは、FXのブレイクアウト手法では前の安値を下回った時点で売り、戻り売りの手法では下降トレンドの中、価格調整の戻りを待った上で売り注文を入れます。

この押し目買いとブレイクアウト手法、どちらを使うのが正しいということはなく、FXトレードが上手な人ほど状況によってこの2つを使い分けています。

ブレイクアウトの狙い目は、高値と安値

FXでブレイクアウトの狙い目にするのは、高値と安値です。

前日の高値安値や、開いているFX市場が転換するような時間帯(東京からロンドン、ロンドンからニューヨークなど)に直前の市場の高値安値を目安とし、ブレイクアウトのポイントを狙います。

前日の高値安値などは多くのFXトレーダーが意識して取引を行うため、その値段で反発することが多くなります。しかしながら、意識されているからこそ反発しやすく、ブレイクポイントを抜けると大きく値動きするポイントにもなります。

また、アジア時間(8時~15時)は流動性が低く比較的FXの取引が落ち着いているため、レンジ相場が形成されやすくなります。そのため、アジア時間から動きが活発になるロンドン時間への変わり目(15時~17時)にアジア時間の高値安値を更新したタイミングでエントリーするという手法もあります。

本物とダマシの見極め方

レンジ相場からブレイクするタイミングを見極めて、一気に利益を上げたいと思うものの、レジスタンスライン・サポートラインを突破したからといって必ずブレイクするとは限らないのです。実は、ブレイクアウトにはダマシも多いということを知っておく必要があります。

ブレイクアウトにはダマシがある

レンジ相場を抜けて一度高値または安値を更新して、ブレイクしたかのように見せかけ、またレンジ相場に戻る動きを「ダマシ」と言います。

ブレイクのダマシ

ブレイクアウトした!と思ってエントリーしたものの、実はダマシに合い逆張りトレーダーの餌食になる…ということはFXではよくある話です。

できることなら、このブレイクアウトのダマシは避けたいところですよね。

どんなに気を使ってFXトレードをしても負けることは誰にでもあることです。同じように100%ダマシを回避する方法は存在しません。しかしながら大きな損失を被らないよう、ダマシにひっかかる確率を減らすことはできます。

ダマシと本物の違いは?ブレイクを見極める

では、ブレイクアウトがダマシか本物か見極めるにはどうしたらよいのでしょうか?
ここではいくつかのポイントを紹介していきたいと思います。

トレンドに逆らわない

ブレイクはトレンドの方向に起きやすくなっています。そのため、FXではトレンドと逆方向にブレイクしたものはダマシである確率が高くなります。

大きな流れには逆らわず、逆方向へのブレイクはスルーするのが賢明でしょう。

相場のボラティリティーを意識する

ブレイクが成功するための大きな要因に、FX相場のボラティリティーがあります。

ボラティリティーとは価格変動の度合いを指し、値動きが大きくなることを「ボラティリティーが大きい」と言い、値動きが小さいことを「ボラティリティーが小さい」と言います。

取引が活発であればそれだけボラティリティーは大きくなるので、24時間のうちでトレードが盛んなロンドン時間やニューヨーク時間のほうが比較的相場が落ち着いているアジア時間などに比べブレイクアウトが起きやすくなります。

ブレイクする直前に小競り合いがある

FXでブレイクが起きる直前にはそれまでのレンジ相場よりも小さな幅での値動きがあると本物のブレイクが起きやすくなります。逆に言うと、何の抵抗もなく一直線にレジサポラインを越えたら、それはダマシとなる可能性が高くなるのです。ブレイクが成功しやすい場合と失敗しやすい場合の値動きでは下記の図のような小競り合いがあるかないかを見て判断するのがよいでしょう。

小競り合い

レジサポ転換を見る

ダマシに引っかかる人は、多くの場合高値安値を更新したタイミングですぐにエントリーしてしまい、ブレイクしきらずに戻ってきてしまうパターンにはまってしまいます。

ここでブレイク後に一度反発して、それまでレジスタンスラインとなっていた線がサポートラインとして下の反発の基準線となっていることを確認してからエントリーするとダマシに引っかかりにくくなります。ただし、その際にエントリー回数をあまり増やさず、厳選したポイントでエントリーするようにしましょう。

レジサポ転換点

まとめ

今回は、FX取引におけるブレイクとそれを利用したブレイクアウト手法について取り上げました。
以下に重要項目をまとめておきます。

Q. ブレイクとは?
A. 過去の安値や高値、もしくは数字的な節目で形成される抵抗となるような線を突破し、高値または安値を更新すること。ブレイク後には大幅な値動きが見込めるのが特徴。

Q. ブレイクアウト手法について
A. 節目となっているレジスタンスライン・サポートラインを突破し、FXのチャートが大きく値動きするタイミングでエントリーするトレード手法のこと。押し目買い・戻り売りとは違ってトレンドの高値を更新したら買い、安値を更新したら売る。

Q. ブレイクのダマシについて
A.レンジ相場を抜けて一度高値または安値を更新、ブレイクしたかのように見せかけ、またレンジ相場に戻る動きのこと。ブレイクが本物かどうかをしっかり見極めないと損をするので注意。